時空を超える「これすき」

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なぜジュリアは「スタートリップ」を笑顔で歌ったのか。


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 ミリオン5thライブお疲れさまでした!

 

 


 いやいつの話だって言われそうなんですけど、君花火イベ*1とか一周年イベとかリアルの用事とかこなしていたらあっという間に7月になってました。今年半分終わったやん、怖い。

 


 まあそんなんはいいんですよ。5th、楽しかったですね。


 自分はミリ単独のライブは初めてで、とりあえず2日目LVだけ行ってきたんですけど、まーやっぱアイマスライブは楽しいっすね!


 担当*2のソロもユニット曲も聞けましたし、LTH曲をユニークなメンバーで聞けたり、思わぬぶっささるソロ曲を見つけられたり、UNION!!が聞けたり――楽しすぎましたね。


 思い出たくさん最高のライブで、今でもいろいろ思い出すんですが、一つ、記憶にこびりついて離れない曲がありまして。

 

 

 

 それは、ジュリアの「スタートリップ」

 

 

 この曲までにも何回も涙ぐんでいて、わりと涙腺が限界だった記憶があるんですけど、もうこの曲の時だけはなんかもうレベルが違う泣き方してました。咽び泣いてました。泣きすぎて画面見えてないときあったぐらいですね。


 もともと好きな曲で、何回も何回もfullで聞いていた曲でもあったんですが、ライブの時はわけが違った。


 その時はもう冷静じゃなくて、なんでこんなに涙してるのか、って思ってしまうくらい泣いていたんですが、後になって何となくわかったんです。多分、ジュリア=あいみんが「笑っていたから」なんじゃないかなあって。

 

 

 

 そもそも論、スタートリップがどんな曲かって話なんですけど、この曲、過去の振り返りの曲なんですよね

 

 

 目が覚めると頬に残る涙の跡に苦笑いして
 窮屈だと思ったくせに都合よく何度も夢を見る

(スタートリップ/作詞:きみコ より)

 

 

 

 一発目のフレーズがこれ。アコギの音とジュリアの静かな歌声だけが響くAメロ。

 

「アイドル」になった彼女が夢に見る場所。それは、まだ彼女が何物でもなかったときのこと。誰かに聞いてほしくて、誰かに届いてほしくて、夢中で歌っていたころ。そこには碌な設備も大した客もいなくて、窮屈で仕方なかったはずの場所なのに、なんでかそれを懐かしむ。


 そんな歌詞から始まるスタートリップは、ジュリアの過去のソロ曲と比べるとちょっと異質です。

 

 

 

 空を彩る星に乗ってあたしは未来へ
 願い事をたくさん詰めたカバンを握りしめ

 (流星群/作詞:きみコ より)

 

 

悲しくたって悔しくたって未来にちょっと夢を見るの

 (プラリネ/作詞:きみコ より)

 

 

 流星群もプラリネも、その歌はまっすぐ前を向いていて、どんな苦難さえも乗り越えていこうとする強い意志があった。


 だから、スタートリップで彼女が過去に目線を向けたのは個人的に結構衝撃的だった。

 

 

 窮屈だと思っていた場所があたしを今を守っている

(スタートリップ/作詞:きみコ より)

 

 

 彼女が歌っていたあの場所は、過ぎ去った場所であっても、決して忘れた場所なんかじゃなかったという。むしろ、今の彼女を守る場所ですらあるというのだ。


 これがいかに驚くべき出来事かわかるだろうか? ここで、流星群の歌詞を思い出していただきたい。

 

 

 

 ずっとずっと夢見てたキラキラのステージへ
 振り返らず走ってゆこう たとえ遠くたって

(流星群/作詞:きみコ より)

 

 

 悲しみが降る夜は鼻歌を歌っていた
 だれにも聴こえないあたしだけの

(流星群/作詞:きみコ より)メロディー 

 

 

 振り返らないとまで言った彼女が、だれにも聴こえないといった彼女が、それでもあの場所が大切だったと歌う。プラリネの歌詞まで考慮すれば、そこは、夢見る彼女に後ろ指を指す人がいる場所ですらあったはずなのに。

 

 スタートリップの一番は、アコギの音とジュリアの歌声だけの静かな弾き語りで始まる。昔ずっと歌っていた場所を思いだし、歌っていたあの日に思いをはせる。それが、2番になると、バックのメロディーが一気ににぎやかになる。そこで語られるのは、プロデューサーとの出会い。

 

 

 ヒトツヒトツがあたしを作るから あなたと出会った日を忘れない

(スタートリップ/作詞:きみコ より)

 

 

 ずっとくすぶっていた彼女の歌が、プロデューサーの導きを得て、遠くの空へ響く歌へと変わっていく。でもそれは、今いる場所からの旅立ちも意味しているわけで。

 

  見慣れた駅の見慣れた夕焼けが まるで遠い国の景色のように見えたことも

(スタートリップ/作詞:きみコ より)

 

 

 

 当たり前にいたその場所が、いつの間にか過去になってしまったことに気が付いたわけで。


 ある意味ではこの曲は、故郷の消失のような、そんな歌だといえるわけなんだけども。

 


 じゃあ、なぜジュリアはこの曲を笑って歌うのか?

 


 その答えは、至ってシンプルだ。

 

 

 振り返ればまだ近くで消えないように息をしている
 泣いたことも笑ったことも すべてを声に乗せて

(スタートリップ/作詞:きみコ より)

 

 

 彼女が歩んできた道のりは、彼女がここまでに得てきたものは、全部歌声に残っていたんだ。


 流星群で新たな旅立ちへの勇気をくれたのは、プラリネで逆境でさえ未来を見る力をくれたのは、きっとあのころから積み上げてきたすべてだったのだ。


 だから、悲しむことはないのだ。失ってなどいない。ここに残っている。むしろ、まだ自分の中に残っていたことを、喜んだっていいんだ。

 


 笑って、そう言えるんだ。

 

 

 

 今日も明日もあたしは歌うから 躓くこともまたあるけれど
 新しい街 新しいステージで あたしだけのメロディー探すたびに今出掛けよう

(スタートリップ/作詞:きみコ より)

 

 

 

 彼女はまだまだ前へ進む。知らない場所で様々な経験をし、さらに次のレベルへと進んでいくのだろう。そんな彼女の歌声は、きっと世界のどこにだって届くようになる。きっと、彼女の始まりの場所にだって。

 

 

 いつか遠い町の空に響くように

(スタートリップ/作詞:きみコ より)

 

 

 

 

 

 

 

 

 流星群を「1」、プラリネを「2」とすれば、スタートリップは「0」であって「3」だ。ジュリアというアイドルの原点に触れつつも、さらなる飛躍を期待させる希望の歌だ。だから、ジュリアはあんなにきれいな笑顔で歌ったのだ。そして、そんな彼女の姿があまりに愛おしかったから、自分はあんなに泣いたんだろうなと、今になって思う。
 この記事を書いているときも何回も泣きそうになった。でも、そろそろ落ち着いて、涙を引っ込ませようと思う。
 彼女は全部を身に着け前に進むというのだ。それを笑顔で送り出す、そっちのほうがいいだろう?

 

 

 

 この歌に悲しむことなんて、何一つないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楽曲情報

 

「スタートリップ」

ジュリア(CV:愛美)

作詞:きみコ

作曲:ハヤシケイ

 

「流星群」
ジュリア(CV:愛美)
作詞:きみコ
作曲:黒須克彦

 

「プラリネ」
ジュリア(CV:愛美)
作詞:きみコ
作曲:佐々木淳

 

 

 ©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

*1:書き手は紗代子P

*2:紗代子、莉緒