ということで見に行ってきましたミリアニ。
率直な感想としては結構よかったと思います。こんな感じのミリオンのアニメが見たいあ~って思っていた感じの作風がそのまま出てきた感じで、個人的にかなり好みな雰囲気になってました。以下雑感になります。
ストーリーが本当に未来・静香・翼が中心って感じにまとまってて、ここが本当に英断だったと思います。ミリオンは全員一緒感の強くあるコンテンツなので、それを実現するために39人が割と平等に出るゆるい感じの作風になるのかな~なんて思ったりしてました。が実際は3人のアイドルデビューとミリオンスターズ誕生を重ね合わせて、信号機の三人を代表に765プロのシアターが出来上がっていく……みたいなバランスになってましたね。
半端に全員を尊重して平等にするとどうしても人数の関係で濃いストーリーにするのは難しいかな~と思ってたので、こういう構成にしてくれてうれしいです。個人的には担当がたくさん映ることよりも、作品として骨太で面白くなってほしかったので。
シナリオとしてはかなりテンポ間がゆっくりで、なんというか心理描写とかキャラの個性みたいなものをかなり大事にしたいのかなと感じました。第1幕の4話が終わっても正式なデビューがなく人前でもステージもなかったという構成は相当ゆっくりだと思います。今までのアニマスって3話にはステージがあったからね。
アイドルとしての活動みたいなところがまだまだ描かれてない分、普通の少女がアイドルを目指していく過程みたいなところは相対的にかなり時間をかけて描かれてましたね。勢い重視の未来と考えこんじゃう静香がいい感じに対照的で、2人が互いにいい感じにお互いを支えあっている構図がとてもいい感じでした。未来が静香の話と歌を聞いてアイドルにあこがれて、そんな未来の姿に静香が励まされて……という1~2話の流れはすごく好きです。特にオーディションライブでも見せ方ひとつであんなにドラマの山場にできるんだなとびっくりしました。
1、2話でアイドルを目指す動機をしっかり与えて、それを受けてその具体像を3話で百合子たちから提示するという流れもいいですよね。すでにステージに立っている人たちがそうでない人に気持ちを語って、お互いに同じ目標を持っているのだということを認識しあって仲良くなる。なんていうんでしょうね、こう、全然違う人が同じキーワードでつながって仲良くなる~みたいな描写ってなかなか近年のアイマスで見ないんですよね。ある程度キャラの関係性って出来上がってるところから始まるので(シャニとかではちょっとあるけど)。だから、ミリオンでこういう話が見れたのはアニメーションという0から順番に連続ドラマとして作っていける媒体だからこそだと思います。
というか書いてて思いましたけど、ミリアニは結構連続ドラマとしての側面が強いですよね。主軸を信号機の三人とPに置いて、そこに絡ませるアイドルを変えつつ主題を進めていく感じになってます。いわゆる「担当回」みたいなものがなくて、メイン3人以外は自然なストーリーの中で個性を発揮していく感じになってますよね。どっちかというとこっちのほうが個人的には好みかもしれません。
原っぱライブ前編となる4話はちょっと微妙でした。前半のコメディがあんまり好みの方向性じゃなかったというのもありますが(個人的にすれ違いコメディが苦手)、キャラクターの衝突の仕方がちょっと強引だったかなーと感じたのが大きいです。未来ちゃんの独白とそれに対するPのアンサーは好きだったのですが、見せ方はもうちょっとあるように感じました(僕が桃子のキャラ性を理解してない可能性もあるかもしれません)。
作風的にまたこういう谷の展開は訪れると思うので、その時に期待します。
全体として、連続性が強くキャラの心理描写を大事にしようとする方向性は好きです。ただ一方で、1クールアニメであることを考えると進行が遅いことは結構気になりますね。今回4話までの上映でしたけど、これでもまだ一つの話の途中ですし。
このペースで行くとミリオンスターズ結成にほぼ半クール使うことになると思いますが、そこからつむかおの加入とかを行いつつってなるとかなり尺がない気がするんですよね。
後半にもうひとひねりドラマを作ってくるとは思うんですけど、どうするんでしょうか。
キャラの話。
未来ちゃんは元気な感じとその中の繊細さのバランスがいい感じでした。最初に夢へのあこがれの描写がありましたが、あれがあるだけで相当違うと思いますね。2話の歌声がいつもより下手だった気がするんですけど、あれってやっぱ意図的に下手にしてるんですかね? わざと下手に歌えるのすげえなあって思いました。
静香は割といつもの感じだった気がしますけど、うっかりやなところとか未来に突っ込むところなどコメディな一面が見れたのが好きでした。それでいて、歌のシーンは歌声だけで説得力を生めるのが本当にすごい。
翼はまあ翼だなって感じ。このJC、社会的にぎりぎりのラインを渡りすぎだなってアニメだとより強く感じますね……。まあ彼女の出番はもうちょっとあとっぽいかな。
コメディでイキイキしてたのは百合子、ロコ、まつり、茜ちゃんあたりでしょうか。見慣れた光景ではありますけど、アニメという媒体だとよりオーバーになるので笑っちゃいますよね。茜ちゃんがうるさすぎて笑う。
個人的には可憐の格好ってこうしてアニメで見るとめっちゃ派手だなって思いました。
2回も免許を見せてくれたこのみさんも素敵でしたね(?)。
あと野球があってよかったです。
紗代子はあんまり出番がなかったので今後に期待します。
プロちゃんはまあバネPの後輩だなって感じ。765のPはこういう感じだよなうんうんっていうね。頼りないのに託されている仕事はすごいのはもはやアイマスお家芸か。とはいえ熱意はしっかり感じるので頑張ってほしい。ロコをかばうところとかはかっこよかったぞ。
あとバネP,なんかめっちゃ強キャラの風格出してましたね。アイドルに必要とされてないんじゃないかと不安になってしまうお前はもう見れないのかよ……!
雑多な話。
最初のASライブ見ての通り幕張メッセだったですけど、めっちゃ知っている光景だったのでなんかいろんなアイマスライブの記憶思い出してぞわぞわしちゃいました。あまりも会場の解像度が高いせいで未来が本名名乗ってるところ見てP名にしなくていいのかな……とか思っちゃったレベル。
お願いだからアニメの世界のライブは解像度を落としてほしい。アイカツくらいにしてくれ。
AS全体曲に弱いので開幕の「Top!!!!!!!!!!!!!」で一人泣きかけてました。いやいいよねTop。神々しいようであったかくて優しくて、なんというか人生明日も頑張ろうってなる感じがして好きです。すっごく「愛」を感じる歌なんだよな……。
最初のシルエットのムビマスリスペクトっぽい演出もよかったし、転びかける春香みたいな細かいネタもグッドです。
CGの作画は全然気にならなかったですね。CGモノって初見は微妙でもクオリティがしっかりしてれば動いてさえしまえば気にならないがちなので心配してませんでしたが、想像以上だったと思います。
まあやっぱ止め絵になるとちょっと気になりますけどね。それは仕方ない。
以上そんな感じでした。
何度も言うけど連続性のあるストーリーと心理描写重視の雰囲気はすごくいいと思います。ただゆっくりな進行もあって、「2時間の作品を見た満足感があったか」といわれるとちょっと微妙だったとは思います。
こういう作品は積み重ねで後半につなげていく作風だと思うので、とにもかくにも評価は続きを見ないとだなと思います。3週間も待てねえよ。
個人的な満足度はまあ10点中7.5くらい。クオリティ自体はしっかり高いので、今後に期待してます。
以上です。読んでいただきありがとうございました。また第2幕の感想でお会いしましょう。