時空を超える「これすき」

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正反対な君と僕 第49話『箸が転ぶ』 ネタバレあり感想

 

 

 夢……………………?

 

 

 

 

前回の感想

 

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 タイラズマ愛が溢れて我慢できなくなって感想書き始めた瞬間に超濃度のタイラズマを食らって立ち上がれなくなりました。助けて。止まってくれ。いやそのまま進めタイラズマ。

 

 話としては3月の最終登校日ですね。本当の本当に2年生が終わる最後の日、浮かれた山田鈴木率いる奴らがただ静かに終わるわけもなく放課後皆で遊びに行こうぜ〜という話でした。

 

 わちゃわちゃ賑やかなシーンだけど、こういう明るい場面にもついほろりと来るシーンが詰まってるのがこの漫画。

 

 例えばクラスメイトを家に呼んでもいいと思ってるくらい仲良くなってる谷。なんかちゃと馴染んでる姿を見るも鈴木じゃなくても後方彼氏面をしてしまいそう。


 平もしっかりバイトを入れないでいたりするあたりがいじらしいですね。わかるよその気持ち。なんかあったら悲しいもんね。


 あとナベちゃんがスダケンに無理って言っているところも好きでした。あまりにも我がしっかりしすぎているよねこの子。リアルだと一番仲良くなってみたいタイプかも知れない。

 

 そんな感じで遊び終わり2年も終わり……というところで東から待ったが入るんですが、このシーンの東の表情がすごい。

 

集英社 阿賀沢紅茶 [第49話]正反対な君と僕 より



 

 お、乙女? 乙女すぎないか?


 東のこのあまりにも見たことない照れくさそうな表情。平わかってるのか。お前が引き出してる表情だぞ。

 

 というかここに限らず今回の東はすべてのシーンの表情に見応えがある。


 電車で寝てる平見て微笑むのもそう、「まだ終(かえ)りたくない」の微妙な顔もそう、平にオーケーもらえてホッとするところもそう、二人で爆笑するところもそう。


 何気ないことにいちいち心が動いて色んな表情を見せてくれる。初めて東が出てきた頃からすると信じられない七色の表情。


 平ともっと一緒にいたい気持ちが溢れて、らしくない誘いまでしちゃって笑う彼女に愛おしさがMAXになってしまいました。とんでもねぇ。


 あと関係を続けようとしてくれる言葉を受けた平もまた感情を噛みしめるような顔をしてるのが良い。今回言葉以上に顔からいろんなものが伝わってくる。

 

 そしてラスト、前半の「好きなタイプ」とはまるで違う平と少なくない時間を重ねる中で積み上げてきた気持ちが「何」なのか自分に問いかける瞬間。

 

 

 

集英社 阿賀沢紅茶 [第49話]正反対な君と僕 より



 

 

 

 それってさぁ! 愛だヨ!!!

 

 

 

 失礼しました。


 ともかく、オラついたやろうによくないときめきばかり感じてきた東が関係の蓄積の果てに「感じる」というとんでもない場面です。


 これはね〜〜〜すごいシーンですよ。


 これまで散々東と平が言葉を重ねて近づいていく様を描いて高まってきたことで、クラス分けという「離れる」瞬間を出す。それによって東が気づく……青い、青すぎるよ。


 東には本当にこの気持ちを大切にしてほしい。今までの相手の身勝手な気持ちを受け入れてあげるような利他的なものでなく、自分の思う気持ちを尊重するようなね、あれをね。頼むぜ。

 

 平!!!!!!! 聞いているのか平!!!!!!!


 お前どうせ気づいてないだろ!!!!!!!!!!!!


 東を無下にするなよ!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 まあ冷静になると、東はまだ「そうなのかも?」くらいだし、平は平なのでここからちゃんと進んでいくには結構時間がかかりそうです。


 とはいえ、確実に近づいているのもまた事実。


 ぜひともこれからもお互いを大切に、素敵な時間を過ごしていただきたいものです。

 

 そんな祈りを捧げつつ。次回に続く。

 

 

 ※追記:冷静に考えると笑うの我慢してない平がいたのすげえことだなって思いました。お前……2話前にあんな話ししたのに……。

 

 

[逆転裁判456王泥喜セレクション]ネタバレあり感想② 4-2「 逆転連鎖の街角」

前回

 

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わああああってなったところ。

 

 逆転裁判4の2話「逆転連鎖の街角」をクリアしました。

 率直な感想としては面白かったと思います。最初のパンツ泥棒だの屋台泥棒だの変な事件をひとつの事件でつなげていく、どんどん全体像を明らかにしていく過程は楽しかったです。無茶苦茶な状況にそれっぽい答えを出す、というので言うと「逆転サーカス」とかに味わいは近いですかね。

 最初緩い捜査から本題へ……というあんまり見たことない形だったのは挑戦を感じてよかった。ただ一方で、登場の人物の多さと散らかった事件がそれぞれドラマを持っているのもあって、ちょっと盛り上がりきらなかった気がしたのはちょっと惜しい。

 被害者とラーメン屋のおっさんの関係とか、キタキツネ一家の家族関係とか、なんか面白そうな要素は多かったんですけど詰め込みすぎの弊害かそこにあんまり尺が咲かれなかったのはちょっと悲しい。

 メインストーリー関連も「王泥喜の腕輪」、「みぬきと成歩堂の親子関係」、「7年前の事件と牙流検事」みたいに気になるものをばらまいてきてました。こういう作りがやっぱり連続ドラマっぽい気がする。

 

 キャラについて。

 みぬきちゃんは、めちゃんこキャラデザが好きな感じなので結構今んところ気に入ってます。とはいえダークサイド成歩堂によくない影響を受けているのかあぶなかっし行動が目立つ。怖いですね。より危なっかしいマヨイちゃんという感じ。

 

何してんだああああああポイント

 

 牙流検事はこれまでの逆転裁判のライバル検事と比べるとかなり柔和というか……有罪判決に強いこだわりがあるようなタイプではない様子。打ち負かしてやろうというより「真実」を大事にしている感じで、王泥喜達に対しても捜査させてくれたり最後には真実へのヒントをくれたりとかなり優しい。

 なんか普通にいい人そうなんだよね。ある意味今まで以上に一筋縄ではいかなそう。

 

めちゃめちゃわかりやすく情報をくれたシーン。いい人?

 

 あと蘇る逆転の宝月刑事も久々に参戦。なんかやさぐれてたけども。かわいそうに。

 本作のイトノコポジなのだろうか? いい感じに大人になったキャラデザはお姉さんの面影を感じて、いいと思います。

 

そらびっくりやんね

 

 他全体的にアクの強いキャラが多かったけど、もうちょっとキタキツネ一家の話があったらよかったなと思いました。

 最後とか、もっとグッとくる世界線もあった気がする。

 

目の描写は好きです。

 

 システム面。

 3D表現を使ったムービーとか、科学捜査とか凝ってる演出が多くて見ごたえありますね。指紋採取とかは楽しいし。

 あとみぬく用なのかキャラのアニメーションめちゃくちゃクオリティーが上がっている気がする。牙流検事のエアギターとかパンツ泥棒のページをめくる動作とか。結構感動しました。2007年のゲームとかに今感動するのもあれなんですけど。

 肝心のみぬくですが、システム自体は結構面白いと思うんですけどみぬいてからの揺さぶりかたがちょっと乱暴なパターンしかないのがもったいないような気がした。アニメーションの進化を堪能できるいいシステムだと思うんですけどね。後半に期待。

 

 

過去作ファン泣かせ1

2

 

 

 とういうことで2話でした。

 粗削りなところも多いけどおもろさにしっかり昇華できててよかったと思います。

 後半にも期待したいなあ。ということで次回は4-3でお会いしましょう。

 

 

 

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[逆転裁判456王泥喜セレクション]ネタバレあり感想① 4-1「逆転の切り札」

 

タイトル画面



 

 

 こたけ正義感の逆転裁判実況によって逆転裁判熱がとても高まってきたので、成歩堂セレクションしかやったことがなかった逆転裁判の456セレクションを購入。未開の地を歩んでみることにしました。

 

youtu.be

 

 第一話はいつも通りのチュートリアル裁判……といいつつ、予告で度肝を抜かれてた弁護士を辞めた成歩堂ががっつり絡んでくるびっくり仕様。さらには前シリーズで言えば千尋さんポジの牙流先生が真犯人という驚きの展開。

 

 一話にして証人が被告人も併せて3人も登場するボリューム感のある裁判で、結構ドキドキしながら楽しめました。

 

 事件は解決しつつも動機などの謎は残り、成歩堂が弁護士を辞めた理由や王泥喜の素質など布石は打たれつつも謎だらけですっきりはなかなかしない結末に。個人的にはゲームというよりかは、一つの連続ドラマの一話を見たような気持になりました。

 

 逆転裁判のうまみは感じつつ、新しい作り方をしてきている作品だと感じたので今後に期待です。

 

 

 

 以下雑記。

 

 キャラ……王泥喜くんは終始成歩堂に導かれるシーンが多くちょっと弱気なところも目立ちがち。成歩堂ほどびっくりするようなことも言わないのでちょっと地味かも?

 

 成歩堂はダーティな感じに。でも手段を択ばなくなった怖さはありつつも、本質的な暑さは垣間見える。変化の理由が知りたい。

 

 BGMはシリーズでも抜群にいいかもしれない。新章開廷のBGMが震えるほどかっこいい。

 

 演出の進化がすごい。蘇る逆転もすごかったけど、3Dをうまく使うとこんなに一気に海外ドラマみたいになるんですね。

 

 次は4-2をクリアしたらで。

 

 

 

©CAPCOM

 

劇場版 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM ネタバレあり感想 ~20年越しの愛と現実の戦い~

劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』公式サイト

 

 

 

 

 

 

 

 

【前書き】

 

 機動戦士ガンダムSEED FREEDOMの話をする前に、まず自分にとってガンダムSEEDシリーズがどういう作品だったのかを話しておこうと思います。

 

 自分はSEEDシリーズのという作品のテーマは「残酷な現実と青臭い理想の戦い」だと思っています。ナチュラルとコーディネーターという生まれの違う人種による対立と、それによって起きた悲劇によって繰り返される戦争がある世界。その中で、キラたちがそれでも自分たちの信じるものを貫き戦うことで生まれる葛藤や苦しみ。それこそがSEEDという作品のテーマ性であり、「味」だと考えていました。

 

 そして私自身、このSEED味ともいうべき青臭さと非常な現実のコントラストが好きです。何度も何度も絶望的なほうに状況が転がっていって、懸命に生きている人々が何度も踏みにじられて行って、それでも最悪を避けるために戦おうとするキラたちの意思は尊いものだと思いますし、その葛藤を超えて立ち上がる姿にカタルシスを感じたことも一度や二度ではないです。

 

 ただ一方で、そのテーマは面白いと感じつつもそれをうまくエンタメ作品としての面白さに昇華できてない作品でもあると感じていました。これはなぜかというと、過酷な現実や残酷な悲劇を突きつけるだけ突き付けて、それに対するそれを否定する側の主張が「弱い」からだと思っています。

 

 いやまあしょうがないんですけどね。ナチュラルとコーディネーターの対立はあの世界はとんでもなく根深いもので、起こってしまった悲劇の数は数えきれないレベルです。それにコーディネーターの開発周りは本編で明かされたものだけでもとんでもない地雷が死ぬほど詰まっていて、一個問題を解決したところで無限に問題が出てきそうですし。それをキラやラクスたちの個人の思想で真っ向から否定して完全な解を出すのは無理ってもんだと思います。ただ、そのせいで物語の着地点がどうしてもふわっとしてしまって、「相手は倒したけれど、自分たちのやったことは正しかったのか?」というしこりが残る作品になってしまっていました。

 

 これが悪いことだとは個人的には思っていませんし、そのしこりが残ることも含めてSEEDだとも思っているのですが、ただやっぱりこう気持ちとしては見終わった後の感想はいいものにならない……んですよね。もうちょっと相手の思想に対する具体性のある答えが示されていたりしたら違うと思うんですけど。

 

 あとこれはまだ1作目のSEEDではよかったんですが、DESTINYはテーマの新規性が薄かった(デスティニープランは新しい対立項ではあったけど、そこに対する描写が足りてなかった)上、シンのようなかなりこう……描写の波にのまれてしまったというか、もうちょっとこう悲劇性以上の何かを描けなかったのかみたいな部分が多くて。全然嫌いな作品じゃないんですが、おもしろい作品というには難しい点が多かったと思っています。

 

 という感じでいろいろ複雑な感情を私はSEEDシリーズに抱えています。

 

 一言でまとめると「テーマ性は好きだけど作品としては難も多い」みたいな感じですかね。

 

 さて、そんな自分なのでこの劇場版を見るときは期待以上に不安の方が大きかった……と思います。

 

 あのDESTINYの続きが描かれてしまうのか。また苦しい、終わりがなく答えのない問いかけが返ってきてしまうのではないか。

 

 そんなことを考えながら見に行ったSEED FREEDOM。感想を以下に記します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【点数】

 

12/10点

 

 

 

 

【短評】

 

SEEDシリーズの描いてきたものを力強く肯定した怪作。

 

 

 

【良いところ】

 

・2時間に詰まった最後までたっぷりな「SEED味」

 

 まず何といっても本作は密度がすさまじいです。序盤の気合の入った戦闘から現状の地球の話、情報提供を受けに言ったら謎のSEED描写があって、キラとラクスの関係性の揺れからキラの暴走、そしてアークエンジェル勢力全滅……と、すさまじい勢いで話がぐんぐん進んでいきます。

 

 そしてその中に、今なおテロを仕掛けるやつらがいて(過酷な現実)、それに対してキラがデスティニープランを否定したことは正しかったのか? と悩む(理想とのギャップ)。それによってラクスが揺れ、そこに付け込まれて……という、「残酷な現実と青臭い理想の戦い」がぎゅっと詰め込まれてるんですよね。

 

 キャラクターもあの時の続きとしてみんな生き生きしてて、変わらない味付けを感じます。

 

 なんというか懐かしい風味をずっと感じられて、ああ今SEEDを見てる! と心の底から感じられてすげえよかったです。

 

 

 

・話の着地点をキラとラクスに絞ったことで生まれた答え

 

 本作は敵が「デスティニープランを実行するために生まれた存在」ということもあって、話の軸はDESTINYからの地続きになっていました。即ち「平等であるように作られた運命」と「自由に生きようとする意志」の対立です。DESTINYの時はここを「デスティニープランの是非」に直結させてしまっていたせいで、「大きな理想を個人の意思で否定する」というちょっと座りの悪い結末になってしまっていたんですが、本作はそれを改めて問いかけたうえで、話の軸をキラとラクスに寄せ「愛する人とともにいられない世界を否定する」という形で落としていました。

 

 これ。これが本当に良いと思ったんですよ。

 

 世界の現実を描写したうえで、キラやラクスという「個人」がどうするかを示す。これをすることでSEEDの「コズミックイラという争いの絶えない世界の話」から「キラやラクス、あるいはそこで生きている人々の話」に変えることに成功しているんです。これによって、作品としてしっかり「答え」を示す。

 

 これは本当に、すっごいことだと思います。

 

 だってこれまでさんざんこの作品は残酷な世界で生きる登場人物たちに「お前たちの生き方はそれでいいのか?」、「お前たちが選んだ選択は正しかったのか?」と問うだけ問うてきたんです。でも問いかけるだけで、決してその答え合わせはしてくれなかった。でもようやくこの劇場版は、キラたちの「こう生きる」という解を「それでいい」と認めてくれたんです。

 

 いや実際そういう話だったかは分からないんですけど、でも少なくとも自分はそう感じました。コズミックイラの非情さを何度も何度も何度も見せつけられてきたからこそ、その中で確かな答えを出したキラとラクスに、自分は強く心を打たれました。

 

 このテーマにまつわるまっすぐすぎる描写が、FREEDOMという映画の最高のうまみだと自分は感じています。

 

 

 

・突き抜けた青臭さと「愛」

 

 本作、序盤から結構恋愛絡みの描写が多いなと思っていましたが、後半を見て納得しました。本作の重要テーマがダイレクトに「愛」だったんですね。

 

 戦火の中でなに浮かれた話ずっとしてんだよ! と思わないこともないんですが、正直自分はこの愛の話がめちゃくちゃ気に入ってしまいました。

 

 だってめちゃくちゃわかりやすいじゃないですか。愛って。どんなに世界が平等だって、自分が愛した人と一緒にいられないなんて悲しい。素朴だしあまりにも主観的過ぎるけど、でもだからこそ絶対に譲れない気持ちがわかる。だからこそ素直に、心の底からキラたちを「頑張れ!」と応援できる。そんなSEED今までありましたか?

 

 ラクスを助けに行くシーンとか、クライマックスの愛を叫びながら戦うシーンとかはSEEDとは思えないさわやかさがあって、自分の熱い思いを吐露しながら戦う彼らがあまりにも眩しすぎて、まるで夢を見ているような気分になりました。

 

 正直今でもカプ厨の自分が見た妄想だったんじゃないか? と思わずにはいられません。それくらい意外性にあふれた、けれど最高のテーマだったと思います。

 

 

 

・テーマ性はそのまま極上のエンタメに仕上げた構成

 

 そしてこの「愛」という絶対正義の軸を一個定めたことで、この作品はギュウギュウに詰まった密度を保ったまますごいスピード感でラストまで突っ走っていきます。

 

 今まで見たいに葛藤するところがないんですよ。キラが「ラクスに会いたい」と決意したところからは、もう確固たる意志を貫き通すだけ。戦う中で苦悩して答えを探すSEEDはそこにはなく、各々が自分の望みをもってひたすらそれに向かって突き進んでいくだけ。

 

 SEEDの理想と現実のギャップという部分は外さないようにしつつも、あくまでそれに個人がどう立ち向かっていくのかを描くことによって厳しい世界にまっすぐ立ち向かっていく青臭さが前回に活きた作品に急に大化けしたんです。そんなことある?

 

 正直ほぼごり押しなんですけど、それでも作品自体のパワーで引っ張られてしまって、気づけばその愛の戦いに引き込まれちゃってるんです。すごいよこの作品。

 

 

 

・濃密なアクション

 

 SEEDってあんまりアクション作画がすごいイメージはないんですが、本作は20年越しの劇場作品ってこともあってもうとんでもない画面密度になってました。

 

 序盤の大混戦から中盤のアークエンジェルメンツが破れていく絶望感のある戦い、そしてクライマックスはMeteorを流しながらの大激戦。息もつかせぬアクロバティックなカメラワークの戦いがずっと続いて、瞬きできなくらい引き込まれました。

 

 しかもそれでいて、味方サイドに皆かっこいい瞬間があるのもまたいいですよね。

 

 今思うとSEEDで純粋に敵味方がはっきりしてる戦いでほとんどなかったので、こんなにしっかり見方が大活躍して終わる戦いってなかったな。そりゃこんなにわくわくできるか。

 

 

 

・シン

 

 本作はマジでキャラ描写も全部よかったんですが、あえて一つ取り上げるならやはり自分の好きなシンの話がしたい。

 

 話の軸がキラってこともあって本筋に大きくかかわってきたわけではないですが、代わりの後半のアクションはデスティニーに乗って大立ち回りを演じてました。

 

 デスティニー、本編だと立ち位置の関係で活躍としてはしょっぱいところも多かったですが、本作はそれをぶっ飛ばす大活躍でしたわ。

 

 もうちょっとあまりにも良すぎていいところを上げたらきりがないんですが、個人的に一番好きだったセリフは上げておきます。

 

 

 

「この間負けたのはジャスティスのせいだ! デスティニーなら……お前たちに負けるもんか!」

 

 

 

 キラがモビルスーツの性能が全てじゃないという中でのこれである。しかもこれで圧勝するんだから、シン・アスカという男は面白い。

 

 

 

【うーんなところ】

 

・各所のガバさ

 

 正直めちゃめちゃ面白かったので減点する理由もないが、冷静に考えるとガバいところも多い気がする。

 ブルーコスモスどうなったん? とか。

 

 でもいいか。面白かったし。

 

 

 

 

【総評】

 

 冷静に考えると結構ノリが無茶苦茶で、勢いで五里押されてるところも多分いっぱいあるんだと思います。

 

 でも自分はこの作品を見終わったときSEEDに感じていたいろんなもやもやが晴れていったのを感じました。それはこの作品が、SEEDという作品が描いてきたものを踏まえてそこで生きる登場人物たちを力強く肯定してくれてくれる作品だったからだと思います。

 

 これからもコズミックイラは争いは絶えないでしょうし、キラやラクスたちは戦いに巻き込まれるのでしょうが、その中で希望がある、愛があるとこの作品は教えてくれました。

 

 それだけでいいと今は思っています。

 

 今記事を見返すと、キラの本音を吐露するシーンがいいとか、アスランのやりたい放題っぷりが最高すぎるとか、なんで最後ヌーディストビーチしてたんだろとか大量に書き忘れたことがあると気づきましたが、なんかもうそれも込みで良しとしたいと思います。

 

 この2024年にこの続編を見れて幸せでした。ありがとうございました。

 

 

 

© 創通・サンライズ

 

 

正反対な君と僕 第48話『3月』 ネタバレあり感想

 

 正反対な君と僕という漫画があまりにも面白すぎるので、今回から感想を書いていきたいと思います。

 

 余裕があれば過去の回も振り返りもやりたい。神漫画なので。

 

 

 

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 今回は3月の話。卒業式が終わり学年が上がるにあたってクラス替えだの学年末テストだので色んな感情がごちゃごちゃになる季節ですね。

 

 今回はそこにホワイトデーを絡めながら、鈴木&谷、山田&西、タイラズマの関係性を一度再確認するような話でした。

 

 

 

 谷と鈴木のパートは、初期からメインで描かれてきたのもあって変わったものと変わらないものが両方滲み出てきて味わい深い。谷が鈴木の好きそうなものを理解してたり、クラス替えを寂しいと思う気持ちが芽生えてたり、「谷くんならお返しの意味を調べてそう」なんて鈴木が思いついたり。お互い春先から長い間付き合ってきたことでこの辺の相互理解がぐっと深まってきてますね。

 

 谷が検索させないために追いかける構図は2話の逆(あの時は履歴を隠すために谷が逃げてた)で、似たシチュエーションなのに違うリアクションをしてるのがなんだかほろりとしちゃいますよ。ええ。

 

 最近この二人はキュンキュンするってより、ただ好きな人といる時間が大切で愛おしそうで、そのドキドキを超えたあとの雰囲気がいいよね〜。

 

 

 

 山田と西に関しては付き合いたてってこともあって純粋な山田に西がドキドキしてる〜ってノリはあんまり変わらないんだけど、西さんがしっかり山田と目を合わせて喋れるようになってきたとこで山田のお馬鹿さからくる「可愛さ」みたいなものを感じてきてる。これ、愛おしいってやつですよ。鈴木で見た。

 

 あんまり変わらないようでいて、西の方も山田をからかうのがちょっと楽しくなってたりしてすごく対等に肩を並べてる感が出てきましたなぁ。

 

 

 

 そしてタイラズマです。何を隠そう自分はこのタイラズマが好きなので、毎話彼らの動向を見てドキドキしてます。

 

 今回はホワイトデーってことでそのお返し周りのお話です。

 

 まず「平がお返しをするなんて意外」っていう東の発言。なかなかパンチ効いてる発言ではあるんですけど、これって東の中で多分ネガティブな意味がないのが一個好きポイントです。別に東からすると「平ってそういうやつ」って思ってるだけで、それが悪いとも駄目とも思ってなさそうなのがいい。誂う上で平が自虐し過ぎたら「いやそこまで言わんでもいいじゃん」って言うバランスなのがね、平が言うところの「対等に見てもらえる」ってとこなんだと思うんですよね。

 

 そんで、そんな「対等に見てくれる=普通に接してくれる」東が平にとって「感謝したいくらい大切な存在」であることをここ数話の流れで自覚してて、その結果お返しに繋がると。

 

 

集英社 阿賀沢紅茶 [第48話]正反対な君と僕 より

 

 ここがね〜〜〜もうすっごいんです。

 

 だってこれ、「明らかな義理のお返しにすらあれこれ頭を悩ませる平」が「ただ渡したいと思った」から東にお返しを渡したってことですからね! しかも東が普通に接していたことが平の特別になって、それが特別な気持ちとして東に伝わるってこと(もちろん言葉が足りないから全然伝わってないことのほうが多いけど)。

 

 この二人ってお互いがお互いに与えてる影響をそこまででかいと思ってなさそうなのが良い。東が今回平からお礼を受けたことではじめて自分が平にとって「そう」であることを少しだけ認識できた感じで。この両方の視点から見るとお互いめちゃいい感じなのに当人同士はそうでもなさそうで。もう〜〜〜〜。

 

 多分平は自分の勘定の整理だから……って思ってたせいで受け取った東の様子がちょっと変なことに気づいてない。それがまたいい。じれったいが、ゆっくり理解していく過程が素晴らしい。

 

 最後のナレーションでも「変わらないようで 変わってるような」と重ねられているように、二人の距離が少しずつ、少しずつ詰まっていくのを感じましたね……。

 

 

 

 ということで3月回でした。晴れやかなナレーションもあって最終回みたいな後味でしたけど……まだ終わらないよね? もっと彼らの青春を見せてください。お願いします。

 

 2年生編がどんな形になるのか、それともまさかのクライマックスへなのか。来週の動向を気にしつつ今週の感想は締めとさせていただきます。

 

 また2週間後。