前回の感想
さて今回の正反対の君と僕は山田西回。
春休みにデートする二人の、付き合いたてのぎこちないけど甘酸っぱい栄養素に満ち溢れた回でした。
相手を気遣うゆえについ遠慮してしまう中で、水族館デートを通してちょっとずつ相手に自分を出していく過程が何ともいじらしい回でしたね。
今回、改めて二人の正反対なところが強調された気がして、それが二人の相性の良さを表してるなあと感じました。
西さんは割とのめり込んじゃうと視界が狭くなっちゃうタイプだと今回の話で言及されていますが、「自分が夢中になるとそうなっちゃう」という自覚があるがゆえにふとした瞬間に自分の行動が気になってすっと身を引いてしまう節もあったりします。
ただ山田はそういう時の西さんが見せる表情に惹かれてるわけで、本人が気にしている、ちょっとやめたほうがいいかな? という部分を好んでいる。それが二人の関係の始まりでもあったわけですし。
一方で山田は普段わりと大雑把でお気楽なんですが、一度ガッツリ深くハマってしまったものに対してはクッとなってしまって、普段から考えないようなことまでぐるぐる考えてしまうわけです。そしてそんな風に考え込んだ結果出てくる言葉を、西さんがまた受け止めてはくすぐったくも喜びを覚えて……。
そんな、正反対な互いの気質を互いに嬉しがってるのが二人の関係なのだということを改めて感じることのできるエピソードだったと思いました。
ていうかこういう関係性、やっぱいいですよねえ。考え方とか捉え方とかが全然違うんですけど、全然違うところを互いに好き合ってるって超理想的で。凸凹なピースがピッタリハマってるというか、真反対故に磁力で惹かれ合うというか、ありきたりですがそんな言葉が似合う二人ですよ。
あとその他の点でいうと、この漫画はやっぱり表情の描き方が好きだなあと思いました。この感想を書くようになってから結構隅々まで見返す癖がついたんですが、今回は細かい一挙一動に伴う西さんの表情がめっちゃかわいい。
ね。山田が惚れちゃうのもわかりすぎるというか。
多くの言葉をつかさなくても、絵の力でキャラクターの魅力を伝えてくれるのはこの漫画の好きなところだなぁ〜と改めて感じました。
今回まだ名前呼びのきれいな落とし所は見つからなかったですが、今後はどうなるのか。
この漫画だと他の組み合わせのメイン回でさらりと山田が下の名前で読んでるシーンとかぶっこんできそう。
あと、鈴木谷とのダブルデート回も実現してほしいなァ……。
色々希望が膨らみつつ、次回へ続く。
㈱集英社 阿賀沢紅茶 [第51話]正反対な君と僕