時空を超える「これすき」

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アニデレ14~17話振り返り「アイドル色をしたギフト」

 

 おはようございます。

 本日より2クール目の振り返りとなります。美城常務の登場、CP解体の危機、他部署とのかかわり。視野は広がり物語も大きくなりますが、物語の根本は特に変わりません。「普通の女の子たちが、アイドルになるまでの物語」。より大きな困難があったとしても、そこは大切にされていると思います。あと泣いちゃう話が多いです。

 

 

 

14話 「Who is the lady in the castle ?(城の中のあの子は誰だ?)」

 

・美城常務、帰国

 ニューヨークの関連会社にいたという美城常務が346に帰還し、社内がざわざわ。父親に顔を合わせることもなく真っ先にプロダクションに向かい、現状把握をしている様子。その過程でCPのプロジェクトルームにも顔を出しました。

 事前に事務所のアイドルたちについてもある程度把握しているなど、できる女感を感じさせますね。

 

・絶好調のCP

 全体のアルバム(表紙こそGOIN‘!ですが、アニメの設定的には全員のソロ局の入ったアルバムのようです)が発売されたり、撮影などの仕事でスケジュールもどんどん埋まるようになっており、すこぶる順調。これからにも期待がかかります。

 

・「楽しくなる途中」

 ある日から、周りに不自然な人影を感じるようになったプロデューサー。事件のにおいを感じ取ったアイドルたちは、調査を始めることに。

 わりと積極的なメンバーが多い一方、いまいちついていけない凛。そんな凛に、プロデューサーは「アイドルの活動は楽しいか」と尋ねます。凛は、笑顔で「楽しくなる途中、かな」と答えました。

 わからなかった世界がわかりだして、少しずつそこに夢中になり、熱を持ち始めているのです。

 

・先輩と後輩

 ある日、凛は2人の女の子から声をかけられます。奈緒と加蓮、彼女たちは、同じ346プロダクションの後輩で、サマーフェスを見てくれたそう。

 デビュー前の彼女たちですが、活躍するCPを見てやる気をもらっているようで、凛を先輩としても目標としてもみている模様。そんな2人の言葉に、どこかうれしそうな顔をする凛なのでした。

 

・クライマックス推……理?

 プロデューサーのストーカー(仮)の容疑者として急浮上したのは佐久間まゆ。一行はまゆを探して東奔西走。そんな中出会った、奈緒たちの同じ部署の先輩である美嘉に二人のことを尋ねる凛。「いずれライバルになるかもしれない」。そんな言葉に、どこかわくわくした表情を見せます。

 そうこうしている間にまゆを発見したCPの面々は、まゆからメッセージを預かります。

 呼び出されたプロデューサー。なんでも、彼女の担当プロデューサー(CPのプロデューサーと同期)の誕生日を尋ねたかったそうで……。

 思いのほかあっけない結末にがっくりきたCPの面々。とはいえ、探偵ごっこは楽しかったようで、また何かあったら頼ってとプロデューサーにいうのでした。

 

・NO MAKEは、アルバムの話。

 ある日のプロジェクトルーム、発売したアルバムを卯月とキャンディーアイランドの3人と聞く話です。

 ほのぼのした話ですが、CDが発売したことをまるで信じられないかのように語る卯月だけが引っ掛かりますね。

 


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(ソロ曲入りのアルバム。現実にもスターターベストというCPのアイドル全員のソロが入ったお得なCDがあります)

 

 

 

15話 「When the spell is broken ...(魔法が解けたとき)」

 

・強硬改革

 アイドル部門の統括役となった美城常務がプロデューサーたちの前で告げた今後の方針。それは、「既存プロジェクトの解体」、並びに、「ブランドイメージを確立するために取得選択したうえでの再編成」。

 あまりにも急で大きすぎる改革内容に、当然プロデューサーは異を唱えますが、常務は「現状のやり方(アイドルの個性を伸ばしていくやり方)では成果が出るまでが遅すぎる」とあくまで改革を断行する様子。

 CPのプロジェクトルームも地下に追いやられ、途方に暮れるアイドルたち。プロデューサーは、常務の方針への対案を上げるため、企画作成を始めます。しかし、アイドルたちはそれを待つことしかできず……

 

・改革の余波

 当然の大改革に社内も大混乱。新規の展開は一度凍結となり、デビュー間近だった奈緒と加蓮も、デビューが無期限延期に。

 あまりにも急すぎる改革に憤った未央は、衝動的に常務のもとに乗り込もうとしますが、凛に諫められます。どうしようもないのがわかっていても、どうにかせずにいられない未央は、卯月にどう思うかを尋ねます。

 突然のことでうまく答えられない卯月。辛うじて、今できるレッスンを頑張る、とだけ答えます。未央はその答えが腑に落ちたのか、あるいは卯月を信頼してのことかはわかりませんが、気持ちを落ち着け、まずは今できることに専念することに決めます。

 


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(常務に憤る未央。彼女がこんな風に誰かに明確な負の感情を持つのは珍しいですが、感情的になると周りが見えなくなるのはまだ変わらず)


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(答える言葉を見つけられない卯月。危うさが見えますが、未央や凛は気づけなくて……)

 

・私たちにできることを、私たちのやり方で

 新規の仕事は入ってきませんが、既存の仕事をこなしていくCP。そんなある日、NGsは、346プロのトップアイドルの一人、楓と仕事をすることになります。

 美城常務の大型特番の仕事を断り、小さなライブ会場でのライブをすることにこだわった楓に、NGsはなぜと尋ねます。

 その答えは、「ファンとともに歩いていきたいから」。

 初めて立った舞台にもう一度立ち、ずっと変わらずファンとともに歩むことを望む彼女にとって、ブランドイメージを重視する常務の考え方はそぐわなかったのです。

 そんな自分らしく歩こうとする楓の姿に歩み方を決めるNGs。CPの面々も自分たちのやりたいことを企画書にするなど、自分たちのやり方で前に歩むことを決めます。

 ただ、卯月だけが、自分のやりたいことを見つけられず、焦ってもいるようで……

 

 

 

16話 「The light shines in my heart.(心の中のきらめき)」

 

・舞踏会へ

 常務への対案として、シンデレラの舞踏会という複合型ライブイベントの企画書を提出したプロデューサー。アイドルの個性を活かし、ファンとアイドルを笑顔でつなごうとするそのコンセプトを、常務はおとぎ話のようだといいつつ、今期末までに成果を上げることを条件に、独自に企画を進めることを許可します(支援も口出しもしないという前提で)。

 とりあえずの方針が見えたCP。舞踏会に向け、それぞれの個性を進化させていくことを目指すことで、全員が団結します。

 

・憧れと諸事情

 個性を磨くための方法を考えるCPの面々、みくも、自身の猫キャラをどのように活かしていくかを考えます。そんな彼女のあこがれは、安部菜々。周囲をも巻き込むその強烈なキャラクター性をみくはリスペクトをしていました。

 しかしそんな時、常務の改革の影響でいわゆる「バラドル」路線のアイドルたちが、方針転換を迫られます。常務はかつてのようなスター性のある、別世界の住人のようなアイドルを育て上げたいようで、既存の番組なども路線変更していくとのこと。

 社員すら困惑する現状、当然その余波は菜々にもやってきます。コーナー担当を下ろされ、ウサミンとしての活動にも、選択を強いられます。

 プロモーションのイベントでも、ウサミンとしてステージに立つかどうかを直前まで悩みます。しかし、イベントを見学していたみくの声援を受け、「自分が信じるままに」ステージに立つことを選びます。

 

・個性よ、集え!

 みくの提案で、方針転換を迫られたバラドルたちとも、舞踏会に向けて協力していくことになります。十人十色の特色を持つアイドルたちの姿を見て、みくもまた、自らの個性を貫くことを決意しなおすのでした。

 

・NO MAKEは、笑顔の話

 今回のNO MAKEは、舞踏会のテーマについて話し合う蘭子とアナスタシアの話。

 自らの個性が舞踏会のコンセプトに似合うのかを悩む二人。他人の輝きはよく見えるけども、自分の輝きは自分じゃよくわからないもので。他人に言葉をかけられても、それを信じられるかはまた別の話。

 本編の話にもつながる、大事な話です。

 

 

 

17話 「Where does this road lead to ?(この道はどこに続いているのだろう)」

 

・常務の思惑

 この回に限らず、何度も今西部長から、改革が早すぎではないか、既存のやり方を認めてもいいのではないかと問われますが、それに対する常務の回答はいつも同じです。

 曰く、「346のやり方にそぐうやり方で」、「早急な成果を」。

 その強情ともいえる態度には、焦りもみられます。

 目指す場所とやり方ははっきりしていますが、彼女が何を思っているのか。それについては、はっきりしません。

 

・無責任ではいられないから

 方針転換の波は、CPのよき先輩である美嘉にも。

 自分らしさを封印し、大人らしいビジュアルで売っていく方針に一度は拒否した美嘉ですが、成果のあげれない部署は解体されるという噂もあり、部署の稼ぎ頭である美嘉は後輩の為にその路線変更を受け入れます。

 今までと違う自分の写真、今までとは違う反応。自分のことなのにそれをうまく受け入れることができず、葛藤する美嘉。しかし責任ある立場としてそれをなげうつこともできず、悶々とした気持ちを抱え込むのでした。

 

・個性の無法地帯? 「とときら学園」

 CPの面々をはじめとした、様々なアイドルの個性を引き出す場所として、プロデューサーが用意したのはテレビ番組。幼少アイドルを中心としたお助けバラエティを企画し、CP内からは凸レーションに白羽の矢が立ちます。

 TV出演に張り切る莉嘉でしたが、なんと衣装がまさかのスモック。自分の目指す方向とはまるで真逆な衣装をうまく着こなせず、収録もいまいちうまくいきません。たまった不満を美嘉に吐き出しますが、葛藤し続けている美嘉は衝動的にきつい言葉を投げかけてしまいます。

 一方みりあも、せっかくテレビに出ることになったのに、母親は生まれたばかりの妹の世話で精いっぱい。お姉ちゃんとしての自分をうまく割り切れない様子。

 

・お姉ちゃんが泣けるのは

 八つ当たりのような形で莉嘉に当たったことを後悔している美嘉は、同じようにしょんぼりしたみりあと事務所で遭遇します。お互いの悩みを吹き飛ばすため、一緒に遊びに出掛ける二人。

 散々遊んだあと、みりあも姉であることを知った美嘉は、お姉ちゃん同盟を組みます。互いに、誰かの為に何かを我慢しなきゃいけない立場として共感を覚える二人。美嘉は年上らしく振舞おうとしますが、同じ辛さを共有するみりあと話して心が緩んだのか、その眼には涙が。

 一度崩れた涙腺はとどまらず、たまらず泣き崩れる美嘉を、みりあは優しく抱きしめます。

 何かを背負う人――例えばお姉ちゃん――が泣けるのは、それを忘れられる瞬間だけ。

 お姉ちゃんにも、泣きたいときはあるもんです。

 


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(お姉ちゃん同士だから、背負うもの同士だから、そのつらさを分け合えるんですね)

 

・私色のギフト

 莉嘉もまた、自分が番組にどのように向き合っていけばいいのかを悩んでいました。CPのアイドルたちにも気を使われ、答えを探そうともがきます。そんな莉嘉のヒントになったのは、杏ときらりの会話でした。「服は何を着ていようと自分」という杏の言葉と、「服を着て自分がうれしいかが大事」というきらりの言葉。

 そこから、莉嘉は、「衣装を自分らしくあるようにいじればいい!」という結論に至ります。

 そして、収録本番。スモックを着ながらも、小道具を自分らしくアレンジしたり、園児でありながらギャルピースをしたり、「自分らしさ」を貫きます。

 莉嘉のふるまいは、収録を見学していた美嘉にも影響を与えます。

 再び、大人らしいメイクと衣装で撮影に挑む美嘉。しかし、そのポーズは見慣れたギャルピースで――

 どんな舞台であれ、自分らしさを残せるのだということに気付いた美嘉。

 それに気付けたのは、なにより莉嘉のおかげです。追う追われるではなく、ともに影響しあい、高めあう存在として、城ケ崎姉妹が並び立った瞬間といえるのかもしれません。

 

 

 

まとめ

 NGs目線の話ももちろんですが、常務という存在が介入したことで、より各アイドルの内面に突っ込んだエピソードが増えました。

 どのエピソードにも共通してみられるのが、自分らしさ。それぞれ向き合う課題は違っても、その点においては同じですね。

 この4話に限らず、自分らしさという言葉は2クール目全体で重要なキーワードになっていきます。それぞれのアイドルが、各々導き出す結論は、どれも等しく尊いものであると自分は考えます(17話見返しているときに、私色ギフト流れた瞬間泣いちゃいました)。

 

 そしてもう1点、重要なのは常務です。

 CP側から見ると、いきなりプロジェクトを解体して思うがままに改革を断行する悪役のようでもありますが、それは正しい認識ではないと思います。

 その手段の是非は問われるにしろ、ブランドイメージを重視した戦略、それ自体は一つの方針としての意義はあるはずです。

 彼女が非難されても仕方ないのは手段であって、目的ではないということ。彼女自身は、同じ事務所の同僚で、明確な敵ではないということ。これらの点は、常務という人間を語る上で大事な前提になってくると思います。もちろん、プロデューサーやNGsを語る上でも。

 

 次回は18話~です。よろしくお願いします。

 

ⓒBNEI/PROJECT CINDERELLA

アニデレ12、13話振り返り 「リベンジマッチ」

  おはようございます。 

「あれ? 8話から11話は?」→NGs目線だと振り返るほどの物がなかったのでスキップさせていただきます。

 ただ、NO MAKE8話は未央が頑張っている描写が印象的なので見てみてくださいな。

 本日は12話と13話。1クール目の最終局面です。これは余談なんですが、デレアニはもともと1クール予定で製作されていて、監督決定後に2クール目を追加したという経緯があります。そのためか、「ここで終わってもおかしくない」ほど気合の入ったエピソードですよ。

 

12話「The magic needed for a flower to bloom.(花が咲くには魔法が必要だった)」

 

 

・気合入りまくりのNGs

 フェスにむけて合同合宿をすることになったCPの面々。NGsの三人(特に未央)は、ミニライブでの一件もあって気合が入っている様子。

 あのステージで残してきた後悔を清算しよう、そんな思いが強い訳です。

 

・かみ合わない全体曲

 合宿中の大きな目的として、フェスで初披露となる全体曲の練習に取り組むCP。

 しかし、14人の息を合わせるのはなかなか大変でうまくいきません。

 未央は焦りからかがむしゃらに練習しようとしますが、杏の制されます。

 自分のことでいっぱいいっぱいになると、未央は周りが見えなくなりがちになることが多いですね。

 そろわない足並みを見た美波は、ある考えを持って特別プログラムを提案します。

 

・深まる絆

 ユニット対抗でいろんな競技をすることになったCP。全力で競い合う中で、互いの心の距離を縮めていきます。

 アニデレは、「相手の個性を理解したうえで、お互いの中に入っていく話」と監督が言っていたことがありましたが、まさにそんなシーンですよね。

 そうして中を深めたCPの面々は、これから待っているフェスの景色に思いを託すのです。「どんな景色が見えるだろうか」。そんな思いとともに、フェスへの準備を進めていくのでした。

 

・NO MAKEは、合宿が始まる少し前。

 12話のNO MAKEは合宿前。宿の周囲を散歩するNGsでしたが、すこしはしゃぎすぎた卯月が日陰で休むことに。そこに立ち寄ったアーニャとたどたどしく会話をする卯月。熱に浮かされたのか、自分の中に持っている漠然とした不安を口にします。

 まるで、今の自分が夢のようだ、と。ふと瞬間に覚めてしまうのではないか、と。

 卯月自身が、「アイドルである自分」に、はっきりした自信を持っていないことがわかるエピソードですね。

 一方凛は、成り行きでプロデューサーから調子を尋ねられ、前向きな回答をします。彼女にとって、アイドルという世界が少しずつ見えてきたことがわかりますね。

 

まとめ

 ため回という一面と、ラブライカ回という側面の両方を持つエピソードだと思います。

 それぞれ違う歩幅で歩いていた(デビュー時期の違いや、フェスへの思いの違いなど)CPたちが、全員で少しずつ同じ方向を向き始めるのが大変エモい回です。

 NGsはやや空回りがちでしたが、その思いは真剣そのもの。覚悟をもって、フェスにのぞむわけです。

 

 

 

13話「It‘s about time to become Cinderella giris!(今こそ、シンデレラになる時!)」

 

 

・サマーフェス開幕

 CPにとっての初めての大型ライブ、サマーフェスが開幕です。

 少なからず緊張するメンバーもみられる中、リーダーとして行動するうちに知らず知らずのうちにオーバーワークをしていた美波が倒れるなどのアクシデントはありましたが、蘭子のサポートをもあって何とか乗り越えます。

 会場のボルテージも高鳴り、いよいよNGsの出番というところで、いきなりの豪雨に雷で会場がダウン。まさかのライブ中断となってしまいました。

 

・もう逃げない!

 なんとかライブを再開できることになりましたが、雨よけに避難した観客が戻っておらず、少ない観客の前でパフォーマンスしなければならないことを伝えるプロデューサー。

 その言葉に対し、NGsは「今そこにいるお客さんを笑顔にするため」に、ステージに上がる覚悟をします。あの時とは違い、しっかり言葉を伝えあい、状況を正しく認識したうえで、向き合うと決めるのです。

 掛け声とともにステージに上がる3人。曲はあの時と同じ曲。

 そこにいるファンに向け、全力で歌い踊るNGs。わずかなお客さんも、彼女たちの思いにこたえるようにコールを入れます。

 最後まで笑顔を絶やさず、全力で踊りきった三人。やり切った彼女たちには、笑顔が浮かんでいました。

 

・夢みたいにきれいで……

 CPのユニットごとのステージも終わり、いよいよ披露するは全体曲。なんとか復帰した美波を合わせた全員で、「GOIN‘!!」を披露します。

 各人の個性の出るダンス、見ごたえのあるフォーメーション移動、だんだんとコールの強くなる観客、状況にぴったりな一体感と底知れぬ楽しさをくれる歌詞、全部が絡み合って最高に上がるライブシーンとなっております。

 全身全霊をもって、パフォーマンスを終えるCP。その景色は、まさに「夢みたいに綺麗で泣けちゃう」ような景色だといえるでしょう。

 

・魔法の後で

 ライブが終わり、裸足で安らぎの時を過ごすアイドル達。裸足は、ガラスの靴を履いていない=魔法のかかっていない素の姿の象徴でしょう。ちなみにやたら作画が生々しいです。

 そんな彼女たちに、プロデューサーがファンレターを持ってきます。山のようなファンレターを見ながら「アイドルみたい」とこぼす卯月。彼女はまだ夢の中にいるようで――

 それぞれ宛に届いたファンレターやアンケートを確認するCP。そんななか未央は、ミニライブでファンになった言う人からの熱いメッセージを目にします。

 あの時の時のステージに確かに意味はあったのだと、自分がだれかを笑顔にできたのだと、その事実に思わず涙ぐむ未央。そして、泣きながらも笑顔でプロデューサーにこういうのです。

 

「アイドル、辞めなくてよかった!」

 

 いい、笑顔ですね。

 そして凛も、また、アイドルという世界で表現することに喜びとやりがいを見つけ出したようで、楽しそうにプロデューサーと話します。

 最後は、みんなで夜空を眺めながら会話をする面々。「ちゃんとお客さんの顔が見えた」。自分たちのなしたことの喜びをかみしめつつ、さらなる未来へ希望を望む少女たち。

 彼女たちの道は、これからも続いていくのです。

 

・NO MAKEは、卯月の話。

  NO MAKEはフェスの後、養成所の同期からファンレターが来たことを涙ながらにプロデューサーに伝える卯月。いわく、「こういう声があると、自分はまだアイドルでいていいんだ」と思うそうで。そんな卯月を、プロデューサーはそれもまた卯月の良いところだと認めます。

 素敵なエピソードですが、ほんの少しだけ、卯月のアイドルとしての在り方に危うさも見える回ですね。

 

まとめ

 1クール目の集大成となるエピソードでした。NGs目線から言えば、7話までの忘れ物をすべて回収し、すっきり一区切り! となったのではないでしょうか。

 未央は自らの思いを清算し、凛もアイドルというものにはっきりとした意義を見つけました。卯月は、ぼやけたままなのですが――

 次回からは2クール目となります。常務の登場により、物語は1クール目とはまた違った方向へ進んでいきます。また、1クール目では大きく描かれなかった凛や卯月の葛藤も描かれていくことになります。

 常務については、アニデレ2クール目を語る上で絶対に外せない人物ですので、要所要所で彼女についても掘り下げていきたいと思います。

 2クール目前半はかなり飛ばし飛ばしになるかもしれませんが、NGs関連のことはしっかり拾っていきますので、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

アニデレ7話振り返り 「もう一つの第1話」

 

 

 おはようございます。総選挙の季節も近づいてきましたが、準備は進んでいますでしょうか。すぐにどうこうできないものも多いので、参加予定の人は、今からしっかり準備しておきましょう。

 本日は7話。NGsの二人、未央と凛にとって大きな意味を持つエピソードです。そして、プロデューサーにとっても新たな一歩を踏み出すことになりますね。

 

 

 

7話 「I wonder where I find the light I shine...(私のきらめきはどこにあるのだろう)」

 

・暗い画面演出

 一見見て、「おや、随分画面が暗いな」と思う方も多いと思います。デレアニでは、登場人物の心象を表現するため、「多少現実感を無視してでも、強調する演出をする」というスタイルになっております。曇り空がやがて雨になり、状況もどんどん悪化していく……古典的な表現技法ですが、ドラマの雰囲気をはっきり表しています。

 

・戻らぬ未央とプロデューサー

 アイドルやめると宣言して、事務所に姿を見せない未央。卯月たちは未央に会いに行こうとしますがプロデューサーはあくまで一人で解決しようとします。

 しかし、心の傷ついた未央が事務的な対応しかしないプロデューサーに心を開くことはなく、拒絶してしまいます。

 受け止めきれない現実(勘違いですが)に向き合えない未央と、そんな未央に心から向き合えないプロデューサー。かみ合わない2人の思いは、決して交わりません。

 

・凛もまた……

 膠着した状況、煮え切らないプロデューサーの態度に不信感を覚える凛。プロデューサーを信じられず、彼女もまたプロデューサーのもとを去ってしまいます。

 ここまできてもまだアイドルに踏み込めないプロデューサー。状況はどんどん悪化していきます。凛も、また1話のころに逆戻りです。

 

・もじゃむーへのお見舞い

 あまりにもかわいいことで有名なもじゃむー登場シーン。

 プロデューサーは卯月からもミニライブの件で責められるかと身構えますが、出てきた言葉は「次こそは頑張りたい」という言葉。

 その言葉や思いが、プロデューサーの情熱に火をつけます。

 覚悟を決めたプロデューサーが走り出すシーンは、今見ても熱いです。

 

・プロデューサーと、未央

 卯月からのメッセージにこたえる言葉を持たず、ただただ画面越しに謝ることしかできない未央。そんな時やってきたのはプロデューサー。ひどい言葉をかけたのにもかかわらず(本人も自覚がある様子)やってきたプロデューサーの前とは違うその熱意に、恐る恐るながらも会話を受け入れる未央。

 プロデューサーは、未央の勘違いを一つ一つ解いていきます。自分の思い込みにようやく気付く未央ですが、そのことで余計にふがいなさを感じ、どうすればいいかわからない様子。

 そんな未央に、自分の意思を告げるプロデューサー。「このままではいけない」と。「あなたたちをこのまま失うわけにはいかない」と(プロデューサー自身の意思がようやくでた)。その言葉に、もう一度立ち直る意思を決める未央。

 ようやく、プロデューサーが心からアイドルと向き合えたのが、このシーンなんですよね。

 

・プロデューサーと、凛

 未央と向き合えたプロデューサーは、二人で凛のもとへ向かいます。

 不誠実な対応を謝罪するプロデューサーと、再起を望む未央に、ポツリポツリと本音をこぼす凛。

 よくわからないまま連れてこられ、よくわからないままおわるのなんて嫌だ、と。

 そんな凛にプロデューサーはもう一度、「夢中になれる何かを探しに行きましょう」と手を伸ばすのです(=1話の、やり直し。あの時とは違い、卯月を介していない)。

 手を取るのをためらう凛ですが、二人の手を、未央がつながせます。そして、引っ張られるように日陰から出てくる凛。

 

「明日からも、よろしくお願いします」

 

 プロデューサーは、凛の目指すものの為に真摯に向き合うと。凛は、プロデューサーを信じると。互いにそれを確認しあったシーンになるわけです。

 

・何もなくなった舞台と向き合い

 正式に謝罪し、再び事務所に帰ってきた凛と未央。2人は、卯月とともにミニライブの会場を再び訪れます。

 装飾が撤去され、何もなくなったステージ。そんなステージの上に、もう一度上がる3人。次の舞台に進むため、改めて歩み始める決意をします。ここが、NGsの新たなスタートとなるわけです。

 

 

 

まとめ

 未央の失敗に向き合うエピソード、という面ももちろんあるのですが、そちらの完全決着はもう少し後になるのもあって、どちらかというと、プロデューサーと凛や未央が初めて心を開きあうという、「NGs本当のスタート」としての側面が大きい回でした。

 新しいものが生まれる回というより、そこにあるものに気付く回ですね。

 6,7話の経験を経て、未央は一人の女の子としてもアイドルとしても大きく成長していきますし、凛もまた、自らの夢中になれることを探すために今まで以上に真剣に向き合っていきます。プロデューサー自身も、自らのプロデュース方針を改めていくきっかけになっていくのです。

 

 その一方、大きく触れられなかったのが卯月です。本音を吐露しあったほかの3人に対し、卯月だけがその心情に大きく踏み込まれることがありませんでした。

 プロデューサーの決意の火種になったのは確かですが、それは一方的なものです。

 卯月自身が何思うのか、それは、まだ誰にも共有されてはいないのです。

 

 7話を持って季節が区切られ、8話からは夏となっていきます。

 8話からしばらくほかのCPのこのデビュー回となるので、NGsの出番が少なくなります。そのため、次回はもしかすると何話かとばして振り返りをするかもしれません。

 まだ未定ですが、よろしくお願いします。

アニデレ6話振り返り + 「6話の事態に至った理由の解説」

 

 

 おはようございます。やってまいりました6話です。

 放送当時大きな反響を呼び、今でも時々話題になるエピソードとなっております。

 いろいろ言われることの多い話ですが、自分は結構好きだったりします。この話が好きというより、この話を起点に始まる未央の話が好きという感じですが。

 まずしっかりエピソードの要点をとらえて、その後、未央の心情についてしっかり考察していきます。よろしくお願いします。

 あ、地味にこのブログ誰でもコメント書けるんで、よかったらどうぞ。

 

 

 

6話「Finally, our day has come!(ついに私たちの日が来た!)」

 

・インタビュー

 すべてのアイマスアニメをつなぐ男、善澤記者から取材を受けるNGsとラブライカ。やや言葉に詰まる卯月や凛、しゃべりすぎちゃう未央など、NGsはややグダグダ。対するラブライカは、やや硬いながらもしっかりこなす。どうやら、あらかじめインタビューの練習をしてきた様子。

 インタビューの内容も、「これから何をしたいか」が中心なNGsに対し、「ライブで何を届けたいか」を語るラブライカと、中身も対照的。

 

・ダンスレッスン

 ライブに備えてより熱の入るレッスン。笑う余裕もありほめられる未央、ミスなくこなすがやや表現が固い凛、同じところも何度もミスする卯月、とダンスに対する適正は三者三様。

 

・衣装を着ながら夢見るのは

 完成した衣装を試着し、ステージへの気分がより高まる3人。そんな3人が思うのは、バックダンサーの時の景色。自分たちのステージでまた、あんな景色に出会える――そんな高まり。

 

・用意されたステージ

 今西部長が「新人のデビューライブの会場としては最高」とほめるほど、いい会場を用意したプロデューサー。プロジェクトへの期待値は、相当高い様子。

 

・ミニライブ前の広告活動。

 ラジオ出演、サイン入りポスターの作成、雑誌に広告――前述の取材も合わせ、新人アイドルの広告としては、とてつもない手間と労力をかけています。346の企業としての力もあると思いますが、相当なものです。

 

・かみ合わない認識

 ライブ当日。会場を目にした未央は、プロデューサーに「人がいっぱい来たら店の客なんかにとって邪魔じゃない?」と尋ねますが、プロデューサー「大丈夫だと思いますが」。会話はかみ合っていますが、認識がかみ合ってません。

 

・控室にて

 友達をかたっぱしから呼んだため、会場の狭さを心配する未央。凛がそれに対し「二階もあるから大丈夫じゃない?」と。ライブ前の会話ですが、かなり落ち着いた様子。

 一方ラブライカの二人は相当緊張している様子。

 

・バックステージにて

 緊張する卯月に対し、声をかける未央。「あの時みたいに楽しいことが待ってる」、「お客さんも盛り上げてくれる」。凛もそれに同意します。

 

・開演

 自分たちができることに全力で取り組むラブライカ。NGsもレッスン成果を発揮し、通りすがりの人が足を止めるなど、目を引くものはあります。しかし、当のNGsたちは、楽しみにしていた景色との大きなギャップに戸惑い……。

 パフォーマンス終了後、応援に来たクラスメートを目にした未央は、逃げるように身をひるがえして足早にステージから去っていきます。

 

・「アイドルやめる!」

 プロデューサーに対し、行き所のない感情をぶつける未央。しかし、プロデューサーの対応が悪く未央の心を意図せず傷つけてしまい……。

「アイドルやめる!」

 ふいに出たその言葉に、プロデューサーは一歩も動けなくなり、逃げ去っていく未央を見送ることしかできませんでした。そんなプロデューサーに、凛は不信感を覚えるのでした。

 

 以上が、6話の要点となります。

 これらを踏まえたうえで、「ではなぜ、このような事態――未央が逃げ出す――が起こったのか」について、考察していきたいと思います。

 なお、これらの考察をしていくにあたり、「本田未央という人間の性格」に関しても考えていきます。彼女を語る上で、材料となるものは多い(モバ、デレステ、その他媒体)のですが、アイマスは媒体が違うと描写の仕方が変わり、同じアイドルでも若干差が生じます。そのため、本記事では、できるだけアニデレ本編並びにアニデレに関連する媒体のみを資料として、考察していきたいと思います。

 

 

 

「6話の事態に至った理由の考察」

 

 まず、なぜ未央がプロデューサーに感情を荒げたのか。ここについてです。

 未央はプロデューサーに、「お客さんめちゃくちゃ少ないじゃん!」と言いました。同時に、「なんで!?」とも。

 つまり彼女は、「お客さんが会場を埋め尽くすほど来ると思っていた」ことになります。ライブ中の反応を見るに、おそらく凛や卯月もそう思っていたはずです。

 

 ここで重要となるのは「なぜ、お客さんがたくさん来ると思ったのか?」です。

 ライブをすると決まった時から、NGsはなんどもバックダンサーをやった時のライブを思い出しては、「あのときみたいな気分をまた味わいたい」と言っていました。いわばあの時の光景が、彼女たちの「成功の原風景」なわけです、

 あふれんばかりの観客、まばゆいコンサートライトの光、鳴りやまない歓声……彼女たちがまたステージに立つとき、その景色を夢見るのは不思議ではないでしょう。

 とはいえ、新人で、デビューしたてのアイドルが、美嘉がやっていたようなライブを最初から開けるか、といえば、当然の「NO」です。あれほどのステージに立つには、長い長い道のりがあるはずです。

 ところが不思議なことに、本編中でNGsの三人は、まるで「ライブをすればあの時の景色がまた見れる」ということを、当然のように口にしています。「ステージには楽しいことが待っている」、「お客さんがきっと盛り上げてくれる」、「このステージの客席は狭すぎるんじゃないか」……あまりにも、自然にそう考えています。

 少し考えればそうではないことがわかりそうなものですが、三人は全くそんなことを考える様子はなかった。

 

 では、それはなぜか?

 その原因は、彼女たちのデビューまでの経緯と、それを取り巻く環境にあります。

 本編でも言及されているように、彼女たちのデビューはあまりにも早いです。所属が正式に決まったその日にバックダンサーの仕事が決まり、そのまま目をつけられて流れるようにCDデビュー……ほかのCPの子が地道に仕事やレッスンをしているのと、あまりに対照的です。

 その中で、彼女たちが体験したステージはたった一つ、美嘉のバックダンサーをした時のステージだけです。ほかのステージを、彼女たちは知りません。そして、彼女たちは、おそらく熱心にアイドルを追いかけるタイプでないはずなので、新人アイドルがどのような場所からスタートしていくか知らないでしょう。

 もちろん、個人的にアイドルのステージを見に行くことはあったかもしれませんが、ステージの上から見た光景は一つだけ。

 その時の景色が、彼女たちとってのステージの景色の象徴になったのです。

 そのうえ彼女たちは、挫折も下積みもなく、とんとん拍子で階段を駆け上がってしまった。だから、彼女たちはそのステージへのイメージが、決して初めからできるものではないと気付けなかった。

 とはいえ、「さすがに新人のステージにそんなにたくさん人は来ないということくらい気付けるのでは?」と思う人もいるでしょう。しかし、思い出してほしいのです。彼女たちのいた環境を。

 346プロダクションは大手の芸能プロダクションです。充実しすぎといえるほど多くの施設を持ち、多くの人材を抱え、有名アイドルも多数在籍しています。

 「シンデレラプロジェクト」は、そんな346プロの新規の大型プロジェクト。雑誌広告を掲載(1話より)したり、プロジェクトの広告ポスターなんかを作るほど、気合の入ったプロジェクトです。

 当然、アイドルたちにも最大限のリソースを費やすはずです。優秀なトレーナーのレッスンを受けさせ、最高の衣装と楽曲を用意し、最大限の広告をする。実際、NGsは新人でありながら雑誌の取材、ラジオの出演、ポスターの多数の掲載……あまりにも、破格です。それだけの環境にいれば、期待してしまうのではないでしょうか?(実際、未央が「記者会見くらいするかと思っていた」というセリフがあり、卯月や凛も少し拍子抜けしているようだった)

「あれだけのことをしたんだ。きっとまた、あの時のようなステージが待っているんだろう」

 そう、無意識のうちに思ってしまうことは、あるのではないでしょうか。

 さらに悪いことに、卯月たちはプロデューサーと積極的にコミュニケーションをとっていませんでした。だから、「ミニライブがどのようなものか」の説明をまともに受けていませんでした(プロデューサーがNGsのライブへの認識に違和感を持つシーンは少なからずあるのですが、言及はしなかった)。誰も、彼女たちの思い込みに気付けなかった。

 それが、彼女たちが「観客がたくさん来ると勘違いした理由」です。

 

 では、それが未央が感情を荒げる理由につながるのはなぜか。

 彼女たちは、お客さんがたくさんくるのものだと思っています。お客さんがたくさん来て、歓声をたくさん聞いて、それで初めて、成功だと思うわけです。

 しかし実際は違いました。観客はまばらで、意識的に盛り上げてくれる人はいません。足を止めて気にかけてくれる人がいるなど、満足度はそこそこあるはずなのですが、それは彼女たちの目に入っていないと思います。3話を思い出して下さい。彼女たちがステージに飛び出した瞬間です。あの瞬間、彼女たちは、観客が持つコンサートライトや声は認識していましたが、観客の表情はまるで見えていませんでした。この時の彼女たちは、観客の表情を見る余裕がまだないのです(発想がないのかも)。

 だから、彼女たちのステージ成功の基準は「観客の人数と、盛り上がり」なわけです。

 そんな彼女たちがステージに立った時、茫然としました。

 思い描いていた風景からあまりにも遠い景色。あこがれていた風景はそこはない。ただ自分たちをじっと見ているお客さんがいるのみ。「どうして」、そんな気持ちでいっぱいになったはずです。

 未央にとっても、それは例外ではないはずです。

 練習の時はあんなに笑顔だった彼女は、本番ではとてもいびつな笑顔をしています。ステージが終わっても、現実が受け入れられないかの如くぼーっとしています。

 そして彼女は、クラスメートの横断幕を目にし、それから逃げるようにステージ上から去るのです。

 では、このとき彼女は何を思っていたのでしょう。

 

 本田未央はどんな女の子か。元気で、活発で、コミュニケーションが上手で、すぐ人の内側に入っていける子。運動神経も高く、実は勉学もできる。その一方で、3話で見せたような、メンタルの弱さを併せ持っています。

 メンタルの弱さ。これが、どれほどのものなのか、どういったものなのか。これについての解釈は割れるでしょう。

 それを、別媒体から推測することは可能かもしれませんが、それは、アニデレの考察からはややずれます。なので、ここでは、結果から逆算して、アニメの本田未央はどんな子か、を考えます。

 思い込みをしたままステージに立ち、理想と現実のギャップに愕然とした未央。その後ステージ上からクラスメートの応援を受けた彼女。しかし、それから目をそむけるように逃げました。

 彼女の中で、その場のステージは「失敗」です。そんな時、クラスメートからの応援を受けるのは、「失敗した自分の姿を見られる」ことと同義です。ふがいないでしょうし、恥ずかしかったでしょう。その感情に、彼女の心は耐えられなかった。だから、その場を去りました。

 ステージから遠ざかる中、彼女の頭の中では様々な思いが駆け巡ったはずです。「どうしてこんな失敗をしたのか」、答えのない疑問と、失敗してしまったという実感で、頭の中がぐちゃぐちゃになったはずです。その行き所のない感情を、プロデューサーにたたきつけてしまう、そんな風になってしまうのは無理はないかもしれません。もちろん、よいことではないですが。

 

「お客さんめちゃくちゃ少ないじゃん! なんで!?」

 

 最善は尽くしたはず。できることはやった。あんなに頑張ったのに、なのにどうして。

 思いこんだまま勘違いし、漏れ出てしまった感情。

 そんな未央に、プロデューサーはこう聞き返します

 

「あの時と比べて盛り上がりが足りない、と?」

 

 ここで、一度未央が目をそむけます。この部分をどう解釈するかですが、未央という女の子は、勢いが前に出ることはあっても、馬鹿な子ではありません。物事に緊張することができる言うことは、物事に対しての想像力があるということであり、ひいては、客観で物事を見れる人です。

 つまりこの時、彼女は、「無意識に美嘉の時のステージと比べていたこと」に気付いたはずです。

 もしもここで、プロデューサーが未央の誤解にきちんと向き合えていたら、最悪の事態は回避できかもしれません。

「失敗なんかではなかった」「新人のステージとしては十分だ」「観客も満足しているようだった」、そんな言葉をかけられていたら、あるいは。

 ですが現実、出てきた言葉は考えうる限りでも最悪な言葉。「今日の結果は、当然のものです」。

 未央とプロデューサーの認識はずれています。未央は失敗と思っていて、プロデューサーは成功と思っている。プロデューサーはそのずれに気づいているのかもしれないですが、あまりにも、言葉が足りない。

 未央から受け取れば、この言葉は、「あなたたちなら失敗して当然だ」と言われてるに等しい(この時、反応しているのはNGsだけのよう)。

 それはあまりにも残酷な宣告です。未央の追いつめられた心に、とどめが入るわけです。

 彼女は選ばれたリーダーです。当然、ステージにおける責任感もあるでしょう。成功させようというやる気だってあったはず。なのに、「失敗するべくして失敗した」なんて言葉を受けた。彼女は、それに耐えられなかった

 心は揺らぎ、ふがいない感情のまま、アイドルをやめると宣言し、その場から逃げ出してしまう。すべての弱さや責任を背負って立てるほど、彼女は強くなかったのです。

 もちろん、責任を放棄して逃げ出したことは褒められるべきではありません。彼女の精神が強ければこうはならなかったわけなので。

 ただ、彼女にすべての非があるわけではありません。

 彼女は、あまりにも運が悪かった。いや、よすぎたといえるのかもしれません。

 どこか、ほんの一度だけ、自分を俯瞰で見返す瞬間があれば、例えば、プロデューサーが、どこかで適切な言葉をかけてくれていれば、そんなことがあれば、最悪の事態は避けられたはずなのです。

 彼女を強く責めるのは、酷というものでしょう。

 

 そして、プロデューサーは、「アイドルやめる!」という未央の言葉に過去のトラウマがフラッシュバックし、未央を引き留めることができなかった。

 そうして、6話が終わるのです。

 

 

 

まとめ

 以上が、自分の、未央が逃げ出すまでに至った理由の考察になります。

 このエピソードをみて、思うところがある人は少なからずいると思います。7話まで見ても、まだすっきりしないという人もいるでしょう。

 ただ、そういう方も、まず25話までみていただきたい。そして、未央を追ってみてほしいのです。

 彼女は、この時の経験をずっと気にしていきます。もう二度と、このような失敗はしたくないと。その思いを背負い、努力し、成長しようとする姿が本編やNO MAKEで少しずつ描かれていきます。

 彼女は確かに一度「失敗」しました。ですが、彼女はそれを乗り越え、前に進むために挑み続けるのです。その姿を、見届けてあげてほしい。

 そして、25話の時の彼女を見てあげてほしいのです。彼女は、前に進める子だというのを、弱さと向き合える子になのだということを、見てあげてください。

 それが、一人の未央Pとしての、ささやかな願いです。

 

 次回は7話です。未央の失敗の清算に、凛の本音、そして、プロデューサーの決意。

 よろしければ、ぜひ。

アニデレ4~5話振り返り & 番外編 NO MAKEって知ってますか>

 

 同僚の皆さんおはようございます。今回は4,5話を振り返っていきます。

 NGs的に大きな話はCDデビュー決定くらいですが、触れておきたいところもあるので要点絞ってサクサク行きます。また、後半ではアニデレをさらに楽しむためのものとして、公式幕間ストーリー「NO MAKE」をご紹介します。

 

 

 

4話「Everyday life,really full of joy!(毎日が楽しいことでいっぱい!)」

 

 765のアニメでもあった、いわゆるキャラクター紹介回。アニメ全体としては箸休め的なエピソードなので話に大きな進展はありません。ただ、癒される回です。

 

・とんでもない作画

 動作の一つ一つまでがとんでもなく作りこまれていて、キャラたちの動作一つ一つが生きているかのごとく生き生きしています。ちょっと一回見直してみてください。ビビりますよ。どれだけすごいかっていうとあれですよ、Live2Dってあるじゃないですか。シャニマスに搭載されるやつ。あれレベルです。

 

・とんでもなくはやいCDデビュー

 補欠合格&スカウト→宣材撮影→バックダンサー→CDデビュー←イマココ

 早い。早すぎます。一応、五話でわかる事情はあるんですが、それにしたって早いです。勢いに乗って、というところは確かにあるんですけど、それが生む弊害も少なからずあるわけで。ほかのメンバーのように、下積みを積む期間が少なからず必要だったのかもしれません。

 

 大きく語ることはない回です。ただ! アイドルたちがみんなかわいいので!! 興味ない人もこの回だけでもいいからぜひ!!!

 

 

 

五話「I don‘t want to become a wallflower.(行き遅れたくなんかない)」

 

  猫ストライキです。みくにゃんが話の中心ですが、一方でプロデューサーの弱いところが見えたり、NGsのデビューの準備が進む中で怪しい気配もだんだんと……。

 6話や7話を語る上で、大事な前段のエピソードです。

 

・NGsデビューが早い理由

 ちひろさんも「思い切った」というほど早いNGsのデビュー。実は、3話に伏線がありまして、今西部長が卯月たちを見ながら偉い人と話しているシーンがあります。バックダンサーのパフォーマンスが気に入られたらしく、有名な作曲家に楽曲を提供してもらえることになったそうなのです。

 不安材料もありますが、多少知名度のある今のうちにデビューさせよう――それがプロデューサーの判断のようです。

 

・プロデューサーとアイドルのコミュ不足

 前述の通りNGsには早々にデビューするきっかけがあったのですが、プロデューサーは早期デビューについて凛から聞かれても「総合的な判断です」とぼやけた答えしか返しません。ユニット名会議についても、自分からは積極的にかかわろうとせず、まだまだアイドルとの距離を感じます。

 

・デビューに向けて

 ミニライブの決定に喜ぶNGsの三人。卯月や未央は、3話の時に感じたワクワクをまた感じられると思い胸が高鳴っている様子。凛は、少し順調すぎるのではないかと気にはなっているものの、あの輝く景色にまた立ちたいのも事実のようで、デビュー自体には乗り気。「夢中になれる何か」が、ステージにあるかもしれないと感じているのです。

 

・緊張しっぱなしのラブライカ

 割とデビューを楽しみにしているNGsと比べると、やや緊張が目立つラブライカ。卯月たちのようにステージに立ったことがなく、プロデューサーからもらった衣装と楽曲しかないから不安、と美波。アーニャがそれを支えます。

 ラブライカとNGsの対比は物語後半まで続きます。NGsの現状を理解するうえで、とても参考になる存在です。

 

・みくのストライキ

 プロジェクト発足に関してややグダッたというのもあるにしろ、短くない期間レッスンを積んできたであろうみく。真剣だからこそ焦るのは当然で、大胆な行動、ストライキに出ます。プロデューサーの説得で事なきを得ますが、これは現状でプロデューサーが信頼されきれていない、理解されていないことへの反動。車輪に成り下がったゆえの、弊害なわけです。

 

 トータルで見ると、「美嘉のバックダンサーをやったときみたいなステージ」を意識している描写が相当多いです。彼女たちの成功の原風景で、楽しかった場所だから当然ではあるのですが……。

 自分たちがデビューする=あの時のようなステージに立てる。そのような意識が感じられます。これが、6話での出来事のトリガーになっていくのです。

 

 

 

まとめ

 二話ともNGsの主役回ではありませんでしたが、水面下で様々な物事の進む大事な回でした。見れば見るほど、のちの回で見方がガラッと変わる描写ばかりで、構成にぞっとするくらいです。

 次回は六話。山場です。やはり着目すべき点は「本田未央」。彼女の感情の揺れを、ゆっくり追いかけていきたいと思います。

 

 

 

番外編 「NO MAKEって、知ってますか?」

 

 皆さん。NO MAKEって知ってますか?

 知ってる方はもうこの記事を閉じてOKです。知らない方はぜひ聞いていってください。

 

 NO MAKEは、アニデレ各話終了後、モバゲーの「アイドルマスターシンデレラガールズ」内で配信されていた、本編を補完するボイスドラマです。

 その回でスポットが当たったメンバーについての補足や、スポットの当たらなかったメンバーが何をしていたかという裏側などが描かれております。前回の記事でちょこちょこ出てたのはこれです。

 中には本編に直接かかわるような大事なシーンもいくつかあり、必聴の内容となっております。

 また、マジックアワーというアイドルたちがラジオをやるという体のボイスドラマもあり、こちらではCP以外のアイドル達も喋りまくります。

 

 こちらのふたつは、放送当時ゲーム内ミッションをクリアした人が聞けたのですが、なんと今でも聞くことができます。

 

 手順は以下の通り

 

  1. モバマス内、「マイページ」から「メニュー」を開き、その他、のタブの「資料室」を押す
  2. 「フライデーナイトフィーバー」を押す
  3. おそらく25話の画面に飛ぶはず。下のほうにバックナンバーがあり、そこから各話に飛べる。
  4. どのボイスドラマもスターエンブレム3個で開放可能。スターエンブレムはイベントで入手。

 

 また、非常に数は少ないですが、過去のライブ時にCD化されているため、熱心なPは所持している可能性があります。そちらを持っているPを探してみるのも手かもしれません。

 

 どちらにせよ本編を補完する良エピソードばかりなので、ぜひぜひ、一聴してみてください。それでは。