時空を超える「これすき」

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アニデレ6話振り返り + 「6話の事態に至った理由の解説」

 

 

 おはようございます。やってまいりました6話です。

 放送当時大きな反響を呼び、今でも時々話題になるエピソードとなっております。

 いろいろ言われることの多い話ですが、自分は結構好きだったりします。この話が好きというより、この話を起点に始まる未央の話が好きという感じですが。

 まずしっかりエピソードの要点をとらえて、その後、未央の心情についてしっかり考察していきます。よろしくお願いします。

 あ、地味にこのブログ誰でもコメント書けるんで、よかったらどうぞ。

 

 

 

6話「Finally, our day has come!(ついに私たちの日が来た!)」

 

・インタビュー

 すべてのアイマスアニメをつなぐ男、善澤記者から取材を受けるNGsとラブライカ。やや言葉に詰まる卯月や凛、しゃべりすぎちゃう未央など、NGsはややグダグダ。対するラブライカは、やや硬いながらもしっかりこなす。どうやら、あらかじめインタビューの練習をしてきた様子。

 インタビューの内容も、「これから何をしたいか」が中心なNGsに対し、「ライブで何を届けたいか」を語るラブライカと、中身も対照的。

 

・ダンスレッスン

 ライブに備えてより熱の入るレッスン。笑う余裕もありほめられる未央、ミスなくこなすがやや表現が固い凛、同じところも何度もミスする卯月、とダンスに対する適正は三者三様。

 

・衣装を着ながら夢見るのは

 完成した衣装を試着し、ステージへの気分がより高まる3人。そんな3人が思うのは、バックダンサーの時の景色。自分たちのステージでまた、あんな景色に出会える――そんな高まり。

 

・用意されたステージ

 今西部長が「新人のデビューライブの会場としては最高」とほめるほど、いい会場を用意したプロデューサー。プロジェクトへの期待値は、相当高い様子。

 

・ミニライブ前の広告活動。

 ラジオ出演、サイン入りポスターの作成、雑誌に広告――前述の取材も合わせ、新人アイドルの広告としては、とてつもない手間と労力をかけています。346の企業としての力もあると思いますが、相当なものです。

 

・かみ合わない認識

 ライブ当日。会場を目にした未央は、プロデューサーに「人がいっぱい来たら店の客なんかにとって邪魔じゃない?」と尋ねますが、プロデューサー「大丈夫だと思いますが」。会話はかみ合っていますが、認識がかみ合ってません。

 

・控室にて

 友達をかたっぱしから呼んだため、会場の狭さを心配する未央。凛がそれに対し「二階もあるから大丈夫じゃない?」と。ライブ前の会話ですが、かなり落ち着いた様子。

 一方ラブライカの二人は相当緊張している様子。

 

・バックステージにて

 緊張する卯月に対し、声をかける未央。「あの時みたいに楽しいことが待ってる」、「お客さんも盛り上げてくれる」。凛もそれに同意します。

 

・開演

 自分たちができることに全力で取り組むラブライカ。NGsもレッスン成果を発揮し、通りすがりの人が足を止めるなど、目を引くものはあります。しかし、当のNGsたちは、楽しみにしていた景色との大きなギャップに戸惑い……。

 パフォーマンス終了後、応援に来たクラスメートを目にした未央は、逃げるように身をひるがえして足早にステージから去っていきます。

 

・「アイドルやめる!」

 プロデューサーに対し、行き所のない感情をぶつける未央。しかし、プロデューサーの対応が悪く未央の心を意図せず傷つけてしまい……。

「アイドルやめる!」

 ふいに出たその言葉に、プロデューサーは一歩も動けなくなり、逃げ去っていく未央を見送ることしかできませんでした。そんなプロデューサーに、凛は不信感を覚えるのでした。

 

 以上が、6話の要点となります。

 これらを踏まえたうえで、「ではなぜ、このような事態――未央が逃げ出す――が起こったのか」について、考察していきたいと思います。

 なお、これらの考察をしていくにあたり、「本田未央という人間の性格」に関しても考えていきます。彼女を語る上で、材料となるものは多い(モバ、デレステ、その他媒体)のですが、アイマスは媒体が違うと描写の仕方が変わり、同じアイドルでも若干差が生じます。そのため、本記事では、できるだけアニデレ本編並びにアニデレに関連する媒体のみを資料として、考察していきたいと思います。

 

 

 

「6話の事態に至った理由の考察」

 

 まず、なぜ未央がプロデューサーに感情を荒げたのか。ここについてです。

 未央はプロデューサーに、「お客さんめちゃくちゃ少ないじゃん!」と言いました。同時に、「なんで!?」とも。

 つまり彼女は、「お客さんが会場を埋め尽くすほど来ると思っていた」ことになります。ライブ中の反応を見るに、おそらく凛や卯月もそう思っていたはずです。

 

 ここで重要となるのは「なぜ、お客さんがたくさん来ると思ったのか?」です。

 ライブをすると決まった時から、NGsはなんどもバックダンサーをやった時のライブを思い出しては、「あのときみたいな気分をまた味わいたい」と言っていました。いわばあの時の光景が、彼女たちの「成功の原風景」なわけです、

 あふれんばかりの観客、まばゆいコンサートライトの光、鳴りやまない歓声……彼女たちがまたステージに立つとき、その景色を夢見るのは不思議ではないでしょう。

 とはいえ、新人で、デビューしたてのアイドルが、美嘉がやっていたようなライブを最初から開けるか、といえば、当然の「NO」です。あれほどのステージに立つには、長い長い道のりがあるはずです。

 ところが不思議なことに、本編中でNGsの三人は、まるで「ライブをすればあの時の景色がまた見れる」ということを、当然のように口にしています。「ステージには楽しいことが待っている」、「お客さんがきっと盛り上げてくれる」、「このステージの客席は狭すぎるんじゃないか」……あまりにも、自然にそう考えています。

 少し考えればそうではないことがわかりそうなものですが、三人は全くそんなことを考える様子はなかった。

 

 では、それはなぜか?

 その原因は、彼女たちのデビューまでの経緯と、それを取り巻く環境にあります。

 本編でも言及されているように、彼女たちのデビューはあまりにも早いです。所属が正式に決まったその日にバックダンサーの仕事が決まり、そのまま目をつけられて流れるようにCDデビュー……ほかのCPの子が地道に仕事やレッスンをしているのと、あまりに対照的です。

 その中で、彼女たちが体験したステージはたった一つ、美嘉のバックダンサーをした時のステージだけです。ほかのステージを、彼女たちは知りません。そして、彼女たちは、おそらく熱心にアイドルを追いかけるタイプでないはずなので、新人アイドルがどのような場所からスタートしていくか知らないでしょう。

 もちろん、個人的にアイドルのステージを見に行くことはあったかもしれませんが、ステージの上から見た光景は一つだけ。

 その時の景色が、彼女たちとってのステージの景色の象徴になったのです。

 そのうえ彼女たちは、挫折も下積みもなく、とんとん拍子で階段を駆け上がってしまった。だから、彼女たちはそのステージへのイメージが、決して初めからできるものではないと気付けなかった。

 とはいえ、「さすがに新人のステージにそんなにたくさん人は来ないということくらい気付けるのでは?」と思う人もいるでしょう。しかし、思い出してほしいのです。彼女たちのいた環境を。

 346プロダクションは大手の芸能プロダクションです。充実しすぎといえるほど多くの施設を持ち、多くの人材を抱え、有名アイドルも多数在籍しています。

 「シンデレラプロジェクト」は、そんな346プロの新規の大型プロジェクト。雑誌広告を掲載(1話より)したり、プロジェクトの広告ポスターなんかを作るほど、気合の入ったプロジェクトです。

 当然、アイドルたちにも最大限のリソースを費やすはずです。優秀なトレーナーのレッスンを受けさせ、最高の衣装と楽曲を用意し、最大限の広告をする。実際、NGsは新人でありながら雑誌の取材、ラジオの出演、ポスターの多数の掲載……あまりにも、破格です。それだけの環境にいれば、期待してしまうのではないでしょうか?(実際、未央が「記者会見くらいするかと思っていた」というセリフがあり、卯月や凛も少し拍子抜けしているようだった)

「あれだけのことをしたんだ。きっとまた、あの時のようなステージが待っているんだろう」

 そう、無意識のうちに思ってしまうことは、あるのではないでしょうか。

 さらに悪いことに、卯月たちはプロデューサーと積極的にコミュニケーションをとっていませんでした。だから、「ミニライブがどのようなものか」の説明をまともに受けていませんでした(プロデューサーがNGsのライブへの認識に違和感を持つシーンは少なからずあるのですが、言及はしなかった)。誰も、彼女たちの思い込みに気付けなかった。

 それが、彼女たちが「観客がたくさん来ると勘違いした理由」です。

 

 では、それが未央が感情を荒げる理由につながるのはなぜか。

 彼女たちは、お客さんがたくさんくるのものだと思っています。お客さんがたくさん来て、歓声をたくさん聞いて、それで初めて、成功だと思うわけです。

 しかし実際は違いました。観客はまばらで、意識的に盛り上げてくれる人はいません。足を止めて気にかけてくれる人がいるなど、満足度はそこそこあるはずなのですが、それは彼女たちの目に入っていないと思います。3話を思い出して下さい。彼女たちがステージに飛び出した瞬間です。あの瞬間、彼女たちは、観客が持つコンサートライトや声は認識していましたが、観客の表情はまるで見えていませんでした。この時の彼女たちは、観客の表情を見る余裕がまだないのです(発想がないのかも)。

 だから、彼女たちのステージ成功の基準は「観客の人数と、盛り上がり」なわけです。

 そんな彼女たちがステージに立った時、茫然としました。

 思い描いていた風景からあまりにも遠い景色。あこがれていた風景はそこはない。ただ自分たちをじっと見ているお客さんがいるのみ。「どうして」、そんな気持ちでいっぱいになったはずです。

 未央にとっても、それは例外ではないはずです。

 練習の時はあんなに笑顔だった彼女は、本番ではとてもいびつな笑顔をしています。ステージが終わっても、現実が受け入れられないかの如くぼーっとしています。

 そして彼女は、クラスメートの横断幕を目にし、それから逃げるようにステージ上から去るのです。

 では、このとき彼女は何を思っていたのでしょう。

 

 本田未央はどんな女の子か。元気で、活発で、コミュニケーションが上手で、すぐ人の内側に入っていける子。運動神経も高く、実は勉学もできる。その一方で、3話で見せたような、メンタルの弱さを併せ持っています。

 メンタルの弱さ。これが、どれほどのものなのか、どういったものなのか。これについての解釈は割れるでしょう。

 それを、別媒体から推測することは可能かもしれませんが、それは、アニデレの考察からはややずれます。なので、ここでは、結果から逆算して、アニメの本田未央はどんな子か、を考えます。

 思い込みをしたままステージに立ち、理想と現実のギャップに愕然とした未央。その後ステージ上からクラスメートの応援を受けた彼女。しかし、それから目をそむけるように逃げました。

 彼女の中で、その場のステージは「失敗」です。そんな時、クラスメートからの応援を受けるのは、「失敗した自分の姿を見られる」ことと同義です。ふがいないでしょうし、恥ずかしかったでしょう。その感情に、彼女の心は耐えられなかった。だから、その場を去りました。

 ステージから遠ざかる中、彼女の頭の中では様々な思いが駆け巡ったはずです。「どうしてこんな失敗をしたのか」、答えのない疑問と、失敗してしまったという実感で、頭の中がぐちゃぐちゃになったはずです。その行き所のない感情を、プロデューサーにたたきつけてしまう、そんな風になってしまうのは無理はないかもしれません。もちろん、よいことではないですが。

 

「お客さんめちゃくちゃ少ないじゃん! なんで!?」

 

 最善は尽くしたはず。できることはやった。あんなに頑張ったのに、なのにどうして。

 思いこんだまま勘違いし、漏れ出てしまった感情。

 そんな未央に、プロデューサーはこう聞き返します

 

「あの時と比べて盛り上がりが足りない、と?」

 

 ここで、一度未央が目をそむけます。この部分をどう解釈するかですが、未央という女の子は、勢いが前に出ることはあっても、馬鹿な子ではありません。物事に緊張することができる言うことは、物事に対しての想像力があるということであり、ひいては、客観で物事を見れる人です。

 つまりこの時、彼女は、「無意識に美嘉の時のステージと比べていたこと」に気付いたはずです。

 もしもここで、プロデューサーが未央の誤解にきちんと向き合えていたら、最悪の事態は回避できかもしれません。

「失敗なんかではなかった」「新人のステージとしては十分だ」「観客も満足しているようだった」、そんな言葉をかけられていたら、あるいは。

 ですが現実、出てきた言葉は考えうる限りでも最悪な言葉。「今日の結果は、当然のものです」。

 未央とプロデューサーの認識はずれています。未央は失敗と思っていて、プロデューサーは成功と思っている。プロデューサーはそのずれに気づいているのかもしれないですが、あまりにも、言葉が足りない。

 未央から受け取れば、この言葉は、「あなたたちなら失敗して当然だ」と言われてるに等しい(この時、反応しているのはNGsだけのよう)。

 それはあまりにも残酷な宣告です。未央の追いつめられた心に、とどめが入るわけです。

 彼女は選ばれたリーダーです。当然、ステージにおける責任感もあるでしょう。成功させようというやる気だってあったはず。なのに、「失敗するべくして失敗した」なんて言葉を受けた。彼女は、それに耐えられなかった

 心は揺らぎ、ふがいない感情のまま、アイドルをやめると宣言し、その場から逃げ出してしまう。すべての弱さや責任を背負って立てるほど、彼女は強くなかったのです。

 もちろん、責任を放棄して逃げ出したことは褒められるべきではありません。彼女の精神が強ければこうはならなかったわけなので。

 ただ、彼女にすべての非があるわけではありません。

 彼女は、あまりにも運が悪かった。いや、よすぎたといえるのかもしれません。

 どこか、ほんの一度だけ、自分を俯瞰で見返す瞬間があれば、例えば、プロデューサーが、どこかで適切な言葉をかけてくれていれば、そんなことがあれば、最悪の事態は避けられたはずなのです。

 彼女を強く責めるのは、酷というものでしょう。

 

 そして、プロデューサーは、「アイドルやめる!」という未央の言葉に過去のトラウマがフラッシュバックし、未央を引き留めることができなかった。

 そうして、6話が終わるのです。

 

 

 

まとめ

 以上が、自分の、未央が逃げ出すまでに至った理由の考察になります。

 このエピソードをみて、思うところがある人は少なからずいると思います。7話まで見ても、まだすっきりしないという人もいるでしょう。

 ただ、そういう方も、まず25話までみていただきたい。そして、未央を追ってみてほしいのです。

 彼女は、この時の経験をずっと気にしていきます。もう二度と、このような失敗はしたくないと。その思いを背負い、努力し、成長しようとする姿が本編やNO MAKEで少しずつ描かれていきます。

 彼女は確かに一度「失敗」しました。ですが、彼女はそれを乗り越え、前に進むために挑み続けるのです。その姿を、見届けてあげてほしい。

 そして、25話の時の彼女を見てあげてほしいのです。彼女は、前に進める子だというのを、弱さと向き合える子になのだということを、見てあげてください。

 それが、一人の未央Pとしての、ささやかな願いです。

 

 次回は7話です。未央の失敗の清算に、凛の本音、そして、プロデューサーの決意。

 よろしければ、ぜひ。

アニデレ4~5話振り返り & 番外編 NO MAKEって知ってますか>

 

 同僚の皆さんおはようございます。今回は4,5話を振り返っていきます。

 NGs的に大きな話はCDデビュー決定くらいですが、触れておきたいところもあるので要点絞ってサクサク行きます。また、後半ではアニデレをさらに楽しむためのものとして、公式幕間ストーリー「NO MAKE」をご紹介します。

 

 

 

4話「Everyday life,really full of joy!(毎日が楽しいことでいっぱい!)」

 

 765のアニメでもあった、いわゆるキャラクター紹介回。アニメ全体としては箸休め的なエピソードなので話に大きな進展はありません。ただ、癒される回です。

 

・とんでもない作画

 動作の一つ一つまでがとんでもなく作りこまれていて、キャラたちの動作一つ一つが生きているかのごとく生き生きしています。ちょっと一回見直してみてください。ビビりますよ。どれだけすごいかっていうとあれですよ、Live2Dってあるじゃないですか。シャニマスに搭載されるやつ。あれレベルです。

 

・とんでもなくはやいCDデビュー

 補欠合格&スカウト→宣材撮影→バックダンサー→CDデビュー←イマココ

 早い。早すぎます。一応、五話でわかる事情はあるんですが、それにしたって早いです。勢いに乗って、というところは確かにあるんですけど、それが生む弊害も少なからずあるわけで。ほかのメンバーのように、下積みを積む期間が少なからず必要だったのかもしれません。

 

 大きく語ることはない回です。ただ! アイドルたちがみんなかわいいので!! 興味ない人もこの回だけでもいいからぜひ!!!

 

 

 

五話「I don‘t want to become a wallflower.(行き遅れたくなんかない)」

 

  猫ストライキです。みくにゃんが話の中心ですが、一方でプロデューサーの弱いところが見えたり、NGsのデビューの準備が進む中で怪しい気配もだんだんと……。

 6話や7話を語る上で、大事な前段のエピソードです。

 

・NGsデビューが早い理由

 ちひろさんも「思い切った」というほど早いNGsのデビュー。実は、3話に伏線がありまして、今西部長が卯月たちを見ながら偉い人と話しているシーンがあります。バックダンサーのパフォーマンスが気に入られたらしく、有名な作曲家に楽曲を提供してもらえることになったそうなのです。

 不安材料もありますが、多少知名度のある今のうちにデビューさせよう――それがプロデューサーの判断のようです。

 

・プロデューサーとアイドルのコミュ不足

 前述の通りNGsには早々にデビューするきっかけがあったのですが、プロデューサーは早期デビューについて凛から聞かれても「総合的な判断です」とぼやけた答えしか返しません。ユニット名会議についても、自分からは積極的にかかわろうとせず、まだまだアイドルとの距離を感じます。

 

・デビューに向けて

 ミニライブの決定に喜ぶNGsの三人。卯月や未央は、3話の時に感じたワクワクをまた感じられると思い胸が高鳴っている様子。凛は、少し順調すぎるのではないかと気にはなっているものの、あの輝く景色にまた立ちたいのも事実のようで、デビュー自体には乗り気。「夢中になれる何か」が、ステージにあるかもしれないと感じているのです。

 

・緊張しっぱなしのラブライカ

 割とデビューを楽しみにしているNGsと比べると、やや緊張が目立つラブライカ。卯月たちのようにステージに立ったことがなく、プロデューサーからもらった衣装と楽曲しかないから不安、と美波。アーニャがそれを支えます。

 ラブライカとNGsの対比は物語後半まで続きます。NGsの現状を理解するうえで、とても参考になる存在です。

 

・みくのストライキ

 プロジェクト発足に関してややグダッたというのもあるにしろ、短くない期間レッスンを積んできたであろうみく。真剣だからこそ焦るのは当然で、大胆な行動、ストライキに出ます。プロデューサーの説得で事なきを得ますが、これは現状でプロデューサーが信頼されきれていない、理解されていないことへの反動。車輪に成り下がったゆえの、弊害なわけです。

 

 トータルで見ると、「美嘉のバックダンサーをやったときみたいなステージ」を意識している描写が相当多いです。彼女たちの成功の原風景で、楽しかった場所だから当然ではあるのですが……。

 自分たちがデビューする=あの時のようなステージに立てる。そのような意識が感じられます。これが、6話での出来事のトリガーになっていくのです。

 

 

 

まとめ

 二話ともNGsの主役回ではありませんでしたが、水面下で様々な物事の進む大事な回でした。見れば見るほど、のちの回で見方がガラッと変わる描写ばかりで、構成にぞっとするくらいです。

 次回は六話。山場です。やはり着目すべき点は「本田未央」。彼女の感情の揺れを、ゆっくり追いかけていきたいと思います。

 

 

 

番外編 「NO MAKEって、知ってますか?」

 

 皆さん。NO MAKEって知ってますか?

 知ってる方はもうこの記事を閉じてOKです。知らない方はぜひ聞いていってください。

 

 NO MAKEは、アニデレ各話終了後、モバゲーの「アイドルマスターシンデレラガールズ」内で配信されていた、本編を補完するボイスドラマです。

 その回でスポットが当たったメンバーについての補足や、スポットの当たらなかったメンバーが何をしていたかという裏側などが描かれております。前回の記事でちょこちょこ出てたのはこれです。

 中には本編に直接かかわるような大事なシーンもいくつかあり、必聴の内容となっております。

 また、マジックアワーというアイドルたちがラジオをやるという体のボイスドラマもあり、こちらではCP以外のアイドル達も喋りまくります。

 

 こちらのふたつは、放送当時ゲーム内ミッションをクリアした人が聞けたのですが、なんと今でも聞くことができます。

 

 手順は以下の通り

 

  1. モバマス内、「マイページ」から「メニュー」を開き、その他、のタブの「資料室」を押す
  2. 「フライデーナイトフィーバー」を押す
  3. おそらく25話の画面に飛ぶはず。下のほうにバックナンバーがあり、そこから各話に飛べる。
  4. どのボイスドラマもスターエンブレム3個で開放可能。スターエンブレムはイベントで入手。

 

 また、非常に数は少ないですが、過去のライブ時にCD化されているため、熱心なPは所持している可能性があります。そちらを持っているPを探してみるのも手かもしれません。

 

 どちらにせよ本編を補完する良エピソードばかりなので、ぜひぜひ、一聴してみてください。それでは。

アニデレ 1~3話振り返り 「成功の原風景」

アニデレ 1~3話振り返り

 

1話「Who is in the pumpkin carrige?(かぼちゃの馬車にいるのは誰?)」

 

 アニデレ最初のエピソードとなる1話。不思議な語りからのおねシン(「お願い! シンデレラ」 アニメ1話Verは「Star!!」のCDに収録)のライブシーンと、卯月と凛の対照的な態度、そして桜をはじめとした春を感じる演出で、始まりを予感させる1話になっています。

 あらすじにしてみるとシンプルですが、濃厚な演出は1話から飛ばしまくりで情報量は最初から満載。要点を抑えながら振り返っていきます。視聴前提でお話ししますので、ご了承ください。

 

・先輩アイドルたちのおねシンライブシーン。

 MCともモノローグとも言えない語りから始まるアニデレ。のちに先輩となるアイドルたちのライブシーンを、CPの子たちが何か越しに見つめるというシーン。

「誰だってシンデレラになれる!」という語りは、ある意味本作の本質を突いた言葉かもしれません。

 おねシンダンスは、キャラによって少し動かし方を変えるという割と変態なことをしている。

 

・養成所でレッスンする卯月

 そこそこスペースのある養成所で、マンツーマンでレッスンをする卯月。昔はもっとたくさん生徒がいたようですが、今は卯月だけの様子。卯月自身も、なかなか芽が出ない様子。次のチャンスの為に柔軟を頑張るけども、無理してアイタタとなる。かわいい。

 

・謎の大男は346プロの……

 放送当時めちゃくちゃ話題になったプロデューサーの登場シーン。今見ても割と衝撃的。

 とにかく序盤のプロデューサーは何考えてるかわからないです。レッスンばかりで卯月を待たせているときに謝ることができるなど、悪い人でないことはわかりますが……

 1話が終わっても、いまいちしぶりんにも信用され切らないし、卯月もその人柄をつかみ損ねている模様。

 

・卯月に補欠合格のお知らせ。

 一度は落ちたシンデレラオーディションですが、なんと欠員補充で再合格。やったぜ。

 ただその一方、「補欠合格の理由はどうしてか」とおずおずと尋ねるなど、まだ少し実感がわいていないようでもあり……

 

渋谷凛スカウト

 ふとしたきっかけで出会った凛をスカウトしようと試みるプロデューサー。すげなく断られますが、これでもかというほど何度もアタックを仕掛けます。

 しぶりんはそのたび断りますが、彼女自身は特に夢中になっていることもなく、なんとなく日々を過ごしていました。能動的にアイドルになった卯月や未央と違い、スカウトされてなったという点は、凛を語る上で大事になってきます。

 

・卯月、レッスンして待つ。

 なかなか追加の二人を決定できないので、プロジェクトに参加できない卯月。待っている間もレッスンに励みます。

 苦手だったステップも、練習の積み重ねでできるようになってきた模様。ここからわかるように、卯月はダンスに関してはコツコツ練習して身に着けていくタイプですね。

 

・卯月と凛の出会い

 なかなか凛をスカウトできないプロデューサーは、今度は卯月を連れてスカウトに向かいます。公園での二人とプロデューサーの距離感から、心の距離を感じますね。

 いまいちアイドルになることに踏ん切りがつかない凛。しかし、卯月の「キラキラしたい」という言葉と、その時の笑顔に感銘を受け、アイドルになる決意をします。

 桜や光の演出が素晴らしく、1話最大の名シーンではありますが、一方で卯月のアイドルへのイメージが「キラキラしたもの」で止まっていて、なんとなく具体性に欠けるところにも着目したいです。このシーンに限らず、卯月は、「自分がアイドルになる」ということへのイメージが少し足りないと思わせる描写がとても多いです。これが、後半のエピソードで大きな意味を持ってきます。

 

・EDは、「メッセージ」

 モバゲー内のイベント、第三回シンデレラガール総選挙の上位五名が歌った楽曲のNGs版です。「告白が成功した女の子が明日にときめく」という少し変わったラブソング。晴れやかなサウンドが、これから始まる物語への希望が広がっている気がしてきます。

 こちらの音源は「Star!!」のCDに収録されています。

 

・NO MAKEは、養成所の話。

 卯月がしばらくお世話になっていたであろう、養成所とのお別れ。まだ卯月自身、アイドルになるということへの実感も自信もない様子。「自分がアイドルになったらどうなるか」、その部分への想像の至らなさが、ここでも強調されています。感動的ですが、同時に少しだけ不安も感じさせます。

 

 

 

2話「I never seen such a beautiful castle(こんなに綺麗ななお城、見たことない!)」

 

 NGsの三人がついに出会い、CPが正式に動き出す回です。アイドルという世界に飛び込んでいく3人の興奮とその至らなさなんかが強調された話だと思います。

 

・NGs三人目、未央登場

 最後のCP合格者、未央が登場します。持ち前のコミュ力で、すぐに卯月や凛と仲良くなります。ダンスレッスンで比較的キレイに決めたり、宣材の時にはパッと綺麗なレシーブを決めるなど、運動神経の高さも感じさせます。バックダンサーに決まった時も、ワクワクのほうが前に来ているようですが……?

 

・大手プロダクション、346プロ

 社内にオープンカフェエステも温泉もあるとかいうとんでもない事務所です。映画なども作っているようで、他部門にわたって芸能事務所として大きな影響力を持っている様子。すでに有名アイドルも何人も抱えている346プロの新部署、それがCPなのです。大きく推しだされていくのは間違いないでしょう。

 

・事務所探検

 見たこともないような大きな事務所に、3人(特に未央と卯月)は大はしゃぎ。豪華な設備に驚いたり、テレビで見るようなアイドルたちにみて興奮したり……。

 ただ、探検に浮かれて集合に遅刻するあたり、まだアイドルとしての自覚が足りないようです。

 

・CP正式始動

 宣材撮影の場にNGsの3人が合流し、ついにCP正式始動。顔合わせも兼ねて自己紹介。宣材写真を撮っていきます。全員モバの初期カードな当たり芸が細かいですね。

 ここで美嘉が登場するのは、彼女が「15人目のCP」として意識されているというところもあると思います。

 

・宣材撮影、そしてバックダンサー抜擢へ

 卯月たちが来るまでにレッスンを積んでいたからか、うまく撮影を終わらせていくCPの面々に対し、なかなかうまくいかない三人。ですが、カメラマンの機転でうまくこなしていくことに成功します。この辺で3人のバランスの良さが見えてきますね。

 それは美嘉も同じだったようで、3人の自身のライブのバックダンサーに誘います。

 プロデューサーはすこし早すぎると判断したようですが、今西部長の勧めでバックダンサーになることを許可します。

 事務所に来たその日に、すぐにバックダンサー決定。アイドルとしての自覚も練習も足りていない3人にとってはあまりに早すぎる大抜擢。プロデューサーが不安を覚えるのも当然で、のちにこの経験不足が大きく響くことに……。

 

 

 

3話「A ball is resplendent,enjoyable,and...(会場はキラキラで、楽しいことがあふれてて、それで……)」

 

 アニデレ最初の山場でもあるバックダンサー回。まだまだアイドルとして足りないことだらけなNGsが向き合う最初の壁です。手に汗握るような緊迫した演出が印象的ですが、同時に今後のエピソードにも影響する大きな1話となっています。

 

・レッスン開始

 美嘉やトレーナーとともに、レッスンを始める3人。しかし、いきなりプロレベルの踊りに挑まねばならず、3人はついていくのがやっと。プロデューサーも、そんな3人を見てやはり早かったかもしれないと少し不安げ。

 その一方、凛の歌のうまさが明らかになるなど、それぞれの才能も少しずつ見つかり始めます。

 バックダンサー抜擢に対し、CPメンバーもそれぞれ思うところもあるようですが、最終的には全員の応援を糧に、なんとか卯月たちは振付をマスターします(ぎりぎり及第点ですが)。

 

・会場の雰囲気にのまれる三人

 なんとかダンスを完成させて会場入りした3人。しかし、豪華なセットや照明、慣れない衣装でのダンス、大きなステージなど、経験のないことに翻弄され、リハで失敗してしまいます。

 そのためか、開演してもまだ不安がいっぱいな三人。特に、いつもはムードメーカー的な役割の未央が、嘘のように静まり返ってしまいます。この辺りから、未央のメンタル的な部分の弱さが見え隠れし始めてますね。

 スタンバイを指示されても動けない未央ですが、凛に引っ張られる形で、ステージへ向かいます。

 

・先輩からのアドバイス

 3人が緊張していることに気付いたのか、プロデューサーの根回しで、先輩アイドルからアドバイスをもらう3人。何とか気持ちを持ち直し、掛け声とともにステージに上がることに。この出撃前の掛け声は、今後もNGsのスタンダードになっていきます。

 

・初ステージ

 アドバイスの甲斐もあってか、なんとかバックダンサーの役割を果たした三人。たくさんの声援とコンサートライトの光を浴びながら、成功の喜びをかみしめるのでした。

 ちなみに、この3話の歓声が入ったVerのTOKIMEKIエスカレートは「GOIN‘!!」のCDに入ってます。ライブ前の予習にいかがでしょう。

 

・成功の原風景

 無事初舞台を成功させた3人。しかし、まだ実感がないらしく、お客さんのいなくなった客席をステージから眺めながら、「夢みたい」とつぶやきます。

 また、ステージに飛び出した時のシーンを見るとわかるのですが、彼女たちは客席からの声や光は見えていても、観客の表情が見えていません。

 認識不足で、経験不足。それらを背負いながらも、彼女たちは初舞台を成功させてしまいました。

 この時の経験が、彼女たちの意識を甘い夢の中へ閉じ込めてしまったのかもしれません。そして、これが後々大きな出来事へと発展していくのです。

 


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(彼女達の成功の原風景)

 

・NO MAKEは、ライブ後の話

 バックダンサーの仕事を終えた後の卯月、凛とプロデューサーの話。

 ほめられたがりの二人のほほえましい話にも見えるのですが、「自分はアイドルとしてやっていけるのだろうか」とプロデューサーに尋ねる卯月に注目したい。彼女は、決して自己評価の高いタイプでなく、まだ自分自身に自信を持ちきれてないことがわかりますね。

 

  まとめ

 まだ序盤の3話ではありますが、今後のエピソードにつながる重要な要素がこれでもかと詰め込まれています。卯月の自身のなさ、凛の適正とアイドルへの向き合い方、未央のパーソナリティーと心の弱さ。どれも大事な要素です。

 

 

    感想は、要点をこのようにまとめていく形にしていこうと思いますが、見づらい、こうした方がいいのではないのか、などの意見があったらお知らせください。

 次回は4、5話の二話に触れたいと思います。6話は話が長くなりそうなのでたぶん単独になるかと思います。よろしくお願いします。

 

ⓒBNEI/PROJECT CINDERELLA

 

本ブログについて

はじめに

 

 

 皆さんは、「アイドルマスターシンデレラガールズ」というコンテンツに初めて触れたのはどこだったでしょうか。

 モバマス? デレステ? 漫画? 音楽? 二次創作? ニコⅯ@S?

 Pの数だけ入り口があって、それぞれに思い出があると思います。

 その中でも、「アニメから入った」という人は、かなりいるのではないのでしょうか。

 

 かくいう自分もその一人で、2015年当時、アニメアイドルマスターシンデレラガールズ(以下アニデレ)をきっかけにシンデレラ、ひいてはアイドルマスターに興味を持ち、今ではアイマスソシャゲをすべてプレイし、アイマスの休憩にアイマスをプレイするような日々を送っております。最近の悩みはリーナの次のSSRがいつ来るのかさっぱりわからないことです。

 

 そんな経緯もあってか、自分、かなりアニデレが大好きです。

 人生で見たアニメの中から好きな作品五本選べと言われたら即答できるくらい好きです。

 何週もしましたし、円盤や、公式ファンブック、サントラなど、関連商品もできるだけ購入し、キャストやスタッフのインタビューを読み漁り、CP(シンデラプロジェクト)全員集合見たさで4thのSSA二日目に初めてアイマスライブに参加したりもしました。

 自分の担当のリーナや未央も、アニメをきっかけに担当したいと思うきっかけをもらいました。

 なにより、自分に「アイドルマスター」というコンテンツを出会わせてくれた作品として、感謝してもしきれない、本当に大切な作品です。

 

 ただ、最近ツイッターを始めてみて思ったのですが、アニデレという作品が「よくわからない」、という人が一定数いるような気がするのです。

 キャラの行動がよくわからない、というか、展開が腑に落ちない、というか、そんな感じの違和感を抱えているような人。そんな人が、少なからずいるような気がしたのです。

 

 この気持ち、すごく理解できる気がしました。

 というのも、見た人はわかると思いますが、アニデレっていう作品は、とても「重たい」作品です。重たい、というのは、もちろん雰囲気的なところもありますが、もっと根本的に、ひとつのドラマとして濃密で、とてもカロリーの高い作品であるという意味です。

 デレアニという作品の特徴として、以下の点があげられます。

 

  1. 心象モノローグがほぼ存在しない。
  2. 背景の物や天気などによる視覚的な心理表現
  3. 「現代のシンデレラストーリー」という題材。並びに、それを意識した演出やセリフ

 

 これらの要素を踏まえて作られた本作は、全25+1話のアニメーションとは思えないほどの情報量が盛り込まれており、視聴する時、少なからずその中身をかみ砕く必要のある作品になっています。

 言ってしまえば、かめばかむほど味がでる(かまなければ味が出ない)、スルメみたいなアニメです。

 ぶっちゃけ、パッと見るにはとっつきづらいアニメだと思います。正直。

 

 今後も少なからず、新しくアニメに触れる人もいるでしょう。そうなったとき、このヘヴィなアニメを見て面食らう方も少なからずのいるのかな、と思い、そういった方がこのアニメに向き合う際に、少しでもその手助けになりたいな、と思いまして、本ブログを作りました。

 

 このブログでは

 

  • 「放映から三年たった今、もう一度、アニメ25話分を、話の中心となるNGsの三人、しぶりん、しまむー、ちゃんみおの三人を中心に振り返る(ネタバレ前提)」
  • 「デレアニをより楽しみ、より深く理解するためのコンテンツの紹介」

 

 以下の二点を行っていきたいと思います。

 振り返りに関しては、自分の解釈のもとに話すことになるため、正しい解釈ではないかもしれませんし、もしかしたら全く見当違いなことを言うかもしれません。

 そうなったら、ぜひ自分に意見をぶつけてください。正面から受け止め、よりよい振り返りを作っていく糧にしたいと思います

 

 デレアニが放映されてから3年が経ちました。

 常に進化を続けるシンデレラというコンテンツにおいて、アニデレという作品も、だんだんと少し前の作品になりつつあります。

 そんな今だからこそ、もう一度この作品に向き合う意味もあるんじゃないかと思います。

 ガンダムシリーズが放送からしばらくして再評価されるように、コンテンツがまた一つ進化した今、向き合いなおしてみることで見えてくるものもあるはずです。

 そういうものを見つけるきっかけになれるよう、頑張ります。

 

 本題は、今週中に更新予定です。よろしくお願いします。