多田李衣菜というのは僕にとってはアイマスの始まりであり、いつでも原点の少女である。
僕が初めてアイドルマスターに触れたのはシンデレラガールズで、最初に好きになったアイドルが彼女だった。今でも、僕の中で1番大切な担当の1人であり続けている。
多田李衣菜とはどんなアイドルだろうか。
彼女を一言で形容すると「にわかロッカー」という言葉が一番適切なのではないだろうか。
多田李衣菜はロックな自分を目指すアイドルである。ロックとは何かは明確に示されてはいないが、普段の彼女の言動を見るに「かっこいい自分」になるというのが目標に近いのだろう。
ファッションや言動を見るに、「格好つけたい」タイプであり、そのかっこよさの根幹が「ロック」にあるのだろう。
一方で彼女はロックの知識全般に疎く、特に楽器ができるわけでもない。この辺について「にわか」と称される。
加えて言うと、彼女は「格好つける」のがど下手くそである。
知識がないわりにロックに精通してるようにふるまったり、クールさを見せる割に不測の事態に弱かったりと、その顔に反さずかわいらしい隙だらけな一面も多く、「格好つけようとするが徹底しきれないところが可愛い」といわれがち。
場合によっては「多田李衣菜の属性はCoではなくCu」なんて言われることもある。まあ間違ってはいない。可愛いよね。
ただ、それでも自分は多田李衣菜はかっこいいと思っている。そしてそんなところを自分は心の底から尊敬している。
彼女のかっこよさは、「行動力」にあると思っている。
彼女はどの媒体においても大抵「知識や技能不足」のままアイドルになっている。大抵、彼女の行動動機は「憧れ」1点だけのことが多い。「こうありたい」、「こうなりたい」というその思いだけでいろんなことに挑む。
それはある種無謀とか蛮勇とか呼ばれるのかもしれないが、自分はその姿勢が眩しく感じるのだ。
挑戦とはいつでも恐怖を伴うものだと思っている。挑んだ先では人は変わらずにはいられない。そこで得るものは必ずしも喜ばしいものではないだろうし、時に挫折することもあるだろう。
けれど、多田李衣菜は歩みの中で決して「憧れ」を見失わない。
たとえ未熟でも常に目指したい姿がぼんやりと胸の中にあり、一つ一つのお仕事の中ですべての経験を「ロック」に活かすために取り入れていく。一見かっこよさと無縁の仕事においても、自分の「ロック」をどう活かすか、「ロック」にどうアプローチするかを常に考え、自分をアップデートしていく。
彼女は「憧れ」という思いだけを燃料にし、常に前進し続けることができる。
思いだけで苦境に立ち向かい、自分を高めるきっかけにできる。
その純粋なあこがれへの歩み方は、自分には真似できない。自分には持っていない想いがある。
彼女のアイドルとして歩む姿はいつだって眩しい。若くて無鉄砲で、けれどブレることのない彼女の挑戦。
いつでもその輝きが、自分に勇気をくれるような気がするのだ。
多田李衣菜は、かっこいい。
どこに出しても恥ずかしくない、最高の夢追い人だと思う。