※注意 ネタバレあります
ということで先日、学園アイドルマスターに十王星南さんが実装されました。
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— 学園アイドルマスター【公式】 (@gkmas_official) 2024年11月16日
🌟 新ガシャ開催 🌟
『【小さな野望】十王星南』
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小さな野望ガシャ イラストご紹介!
🔸新SSR Pアイドル
【小さな野望】十王 星南
📅開催期間
~11/28 (木) 10:59 まで (予定)#学マス pic.twitter.com/zwdWKHBqA3
おめでとうございます。ゲームで出会った時からずっと気になっていた存在だったので、ようやくの実装、とても嬉しいです。まあこのテンションで話すにしてはちょっと乗り遅れてしまった感じがありますが。
プロデュース開始時点でアイドルとして一定の実績がある子なんて面白いですし、何よりも学園の一番を取っていてかなり覇道を行く感じだったので、まあすごいかっこいいしプロデュースするのも面白いだろう……と思っていました。自分がしっかりしている人間、好みなので。
そのため結構気合も入れてガチャも引きに行きましたが、底にへばりついてて全然でなかったので人生で初めて課金して天井する羽目になりました。ソシャゲの恐ろしさを久々に味わいましたね。
さて、肝心の星南のプロデュースシナリオですが、想像していたものとは結構違う方向性のものでした。
大きな主題は「現状打破」。前年度のHIFで一位になった十王星南が、完成された自身のイメージを一度破壊し、挑戦者としてもう一度走り出す。そんなスクラップアンドビルドがメインテーマとなっていました。
他のキャラクターのシナリオにおいてはエキセントリックな言動が多く(特にことね関連)、絶対的に完成された存在として描かれていた印象だったので、このシナリオの方向性には結構驚きがありました。生徒会長としてこれまで描かれてきた派手な一面とは全く違う、彼女の持つ繊細な部分がメインとなっていました。
ただ予想外ではあったものの期待外れであったかといわれるとそうではなかったです。むしろその驚きを起点に、彼女のアイドルとしての原点や理想・素の人柄など彼女の人間性がとてもクリアになりましたし、再度挑戦者として舞台に上がる彼女の姿は最高でしたしね。
とりあえず個人的に一番意外だった点は、星南がかなり責任感のある性格だったという点ですね。コミュの節々で見かける彼女は結構ぶっ飛んだ言動のことも多くて、なかなか強烈な人なのだとばかり思っていました。が、実際は学園の一番星として後輩を導くということに強い使命感を抱えていました。そしてその責任感の根底には、彼女のトップアイドル像があります。
コミュ中で彼女は自分にとってトップアイドルとは「夢見るアイドルたちの道しるべ」であると述べていました。道しるべ、つまりは進む道のりを示す存在であり、言い換えるとアイドルが憧れるアイドルこそが理想のトップアイドルである、というのが星南の考えなわけですね。これはおそらく、彼女が初星学園での時間を過ごす中で芽生えた理想像なのだと思います。
具体的な描写が多くあったわけではありませんが、どうも彼女は幼いころから将来のトップアイドル候補として育成をされてきたようで、その日々の中でずっと初星学園を見てきたようです。
言ってしまえば彼女にとってアイドルとは初星学園で生まれるものであるでしょうし、初星学園でのアイドルが彼女のアイドルの始まりなのだと思います。だからこそ、彼女にとってアイドルというものは引き継がれていくものであり、憧れて憧れられての繰り返しの中にあるものなのでしょう。
だからこそ自分もその流れの中で、もらったもの以上に返せる存在となるために努力してきたのだと思います。それを目指してたゆまぬ努力をしてきた結果が一番星の称号なのでしょう。
今初星学園で最も優れたアイドルとして、新たにアイドルを目指す人たちの道しるべになる必要がある。そんな責任感が十王星南を動かしていたのでしょう。
そう思えば普段のぶっ飛んだ言動も、完璧な生徒会長としての姿を見せるためにある程度意識して行っていることなのかもなあなんて思いました。誰かの道しるべであろうとするならば、その道しるべが揺らいでいてはいけません。なればこそ、こっちに進めば大丈夫だと示すためにあんな感じの言動になっている……という。まあ多分その「示す」ムーブがあんまり器用にできないので、ことねの前でするような感じのムーブをしてしまうのかもしれません。
ともかく彼女は、自身が道を示す存在として、一番星としてどうあるべきかを常に考えています。そしてその責任感が、コミュ前半のアイドルではなくプロデューサーとしてアイドルを育てるとという選択肢につながっていくわけです。
彼女は自身のポテンシャルがトップアイドルたちが持つようなステータスまでには届かないという自覚があり、だからこそ自分は学園の憧れを背負う一番星に相応しくないと一線を退こうとしたわけですね。
正直この決断、劇中ではさらりと語られてはいるものの、恐ろしく冷静ですごい決断だと思います。いくら自分のアイドルの能力を見る目が正確だと思えても、自分の心と学園の将来をはかりにかけて学園を選べるのは大人ですよね。
その上できちんと自分の将来のプランも再設定し、残された1年も生徒会活動を通してアイドルの卵を育てるためにリソースを費やそうとする。多少強引なところはあれど、きちんと未来図を描いてそれを目指して行動できる。高等部3年生としては出来すぎなくらいです。
単に気持ちを背負うだけではなく行動を起こせる、必要とあればプレイヤーを降りることもできる。そんな彼女の一番星としての責任感は素晴らしい心構えであると思います。実際超すごい。
ただ、そんな責任感があるゆえに彼女は自身が作り上げた一番星の十王星南としての姿を崩すことができず、自身の殻を破ることができていませんでした。これを破るのがプロデューサーの役割だったというわけですね。
このあたりのブレイクスルーを起こすための過程はかなり丁寧だったと思います。
現状で限界に達しているという十王星南のイメージをまず一度崩して、そこから曝け出させた素を元に挑戦する自分に作り替えていく。アイドル以外の星南は結構ぶきっちょなところも多くてひゃーひゃー慌てている姿可愛かったですよね。
ただこれはコメディ描写なだけではなくて、まずできないことや苦手なことがあるというのを(多少強引に)見せていくことで完璧なアイドルのイメージをちょっとずつ壊していって、欠けているところがある=伸びしろがあるという方向性に星南の意識を持って行ったわけですね。
そしてそういうままならないチャレンジの日々が、彼女のアイドルとしての原点を思い出させるというのがまたニクい。アイドルとしての才能は平凡である彼女にとって、アイドルなりたての頃はうまくいかないことだらけでひたすら挑戦の日々だったと。生徒会長の今の姿からすると信じられないくらい泥臭いイメージの話ですが、そういう気持ちを思い出せたからこそもう一度フラットに自分の夢を追いかける覚悟を決められたってわけですね。そして、そういう苦しくとも前に進もうとしている時に見せる十王星南こそ、ぶきっちょででも諦めず、だからこそ応援したくなる彼女の魅力そのものになって、結果として彼女をさらに高い場所に連れていく。
ステータスの面では全く変わっていなくても、緊張しながらも必死に前に進む姿がアイドルとしての魅力に変わっていったわけですよ。プロデューサーはこれを愛嬌と呼んでいましたが、弱さを見せることが強さになるっていうこの展開にたぎらずにはいられませんでした。
責任を抱えるがゆえに作り上げてしまった自分を一度手放すことで、正しく後輩たちの眼差しに応えられる自分へと成長する。このスクラップアンドビルドが本当にアツイ!
素直に弱気な気持ちを吐き出しながらもプロデューサーと一緒に舞台に挑む星南はめっちゃ愛おしいですし、挑戦の先に自らが理想として行ったトップアイドル像に近づけたことに安堵したところなんかはこちらの涙腺にも響きました。
特に親愛度9話のライブ後のシーンで言っていた「志を高く持ちなさい」のセリフは来るものがありました。憧れられる立場になったからこそ、自分の理想と現実のギャップに苦しんできたのだと思いますし、それゆえに前線から身を引くことも考えていました。そんな彼女が、ステージ上で「私を目指せ」と宣言できたことが、もうどれほど大きな意味があるのかと……!
おまけに親愛度9話のグラフでは限界に達したと言っていた能力値をちょっとだけ伸ばすのがずるい。愛嬌やスター性がくっついてきたことで、引っ張られるようにまだまだ成長していくということを示してくれているみたいじゃないですか。
そんなんねえ、これからも一緒に頑張りたくなりますよ。それはもう当たり前に。ええ。
……それと、一番最後がプロデューサーに憧れる、ってオチなのもいいですよね(親愛度10)。
憧れに向けてがむしゃらに頑張れる。それが十王星南の魅力なのだなと、改めて感じるエンディングでした。
ということで十王星南編の感想でした。
彼女の人間性や素の魅力をギュギュっと詰め込んだうえで、憧れを目指し恐れあがら藻前に向き続ける純粋な思いが眩しいシナリオだったなと思います。
自分はこういう自分の想いにまっすぐな人にとても弱いので、このプロデュースシナリオだけで随分十王星南のことが好きになってしまいました。
これからも頂点を目指し彼女の挑戦は続くのでしょう。
それを隣で見続けることのできるのは、自分にとってこの上ない幸福です。
彼女の次なる挑戦に期待します。ありがとうございました。