くっそ今更だけど「たまこラブストーリー」を見たので、その感想をかきなぐります。
とにかく心荒ぶってるからクソ支離滅裂な分になると思うし言葉遣いも荒いしネタバレもするからお気を付けて。
まず前提として、自分は一応「たまこまーけっと」を見ていた。けどぶっちゃければあんまり好きじゃなかった。
日常ものにあんまりハマらないというのもあるけど……まあ嫌いという程でもなかった。たまに笑ったし、妹とか可愛かったし、おっさんは活き活きしてた。
あと当時からもち蔵は好きだった。不憫だったけど。可哀想なくらい。
(ヘタレでも頑張る男は好きです)
ただその一方でどうしても苦手なところがあった。
1つ目がデラとかいう鶏。なんかやたら高圧的だし演技がうまいが故に本気で鼻につくし、「こいついる?」と本気で思ってた。ぶっちゃけ可愛くないしあんまり面白くないし。今でも割と苦手。
(こいつがもしたまこラブストーリーの本編にいたら、と思うと……)
もうひとつ苦手だったのが主人公のたまこ。なんかこう、よくわからない子だなあと思っていた。口を開けばおもちのお話、嘘みたいにピュアっピュアで、「何を考えている子なんだろう?」とずっとモヤモヤしてた。日常ものにそこを本気にするのはどうなの? と思わなくもないけど、なにぶんもち蔵というとてもよく共感できる男がいたから余計際立つ。イマイチ心の動きが掴めなくて、作品に入り込めなかった。
さて、そんな自分が今回「たまこラブストーリー」を見た。
結論から言うと神映画だった。
とにかくまず俺が今あげたたまこの「何考えているのかわからない」という所が全部解消された。彼女がもちが好きなわけとか、彼女の母親へのあこがれとか、周りを見て焦りを覚えるとか、そういうことを知って、すごくたまこという女の子をよく知って、すごく感情移入できた。
そのうえで、ひとつのラブストーリーとして本当に楽しかった。
もち蔵が好きだった身としては、彼の思いを誤魔化し無しで描いてくれたことが凄く嬉しい。夢を追いかける熱さを持ちつつ、詰めきれなかった距離を縮めるために踏み出そうとする彼の頑張りは、微笑ましくも自分の心を揺らした。TVシリーズの頃から彼の思いを知ってたからこそ、映画では強く感情移入できたし、報われたことは嬉しかった。
たまこの感情の揺れもとても丁寧だった。バトンの練習と絡めて、受け止めきれない想いに翻弄されながらも、いろんな人に頼ったりしながら最後にはしっかり応える。ラストは本当に胸がたかなったし、自分もしても、たまこをやっと「かわいい女の子だな」と思えたことがめちゃくちゃ嬉しい。
(めちゃくちゃ感情移入しました。可愛い)
あと本作はTVシリーズを踏まえた上でのサブキャラの描写が素晴らしい。
女子高校生組の将来への期待とか不安の中で揺れながらも、一生懸命頑張る姿には勇気を貰ったし、親父ーズの高校生の子を持つものとしての複雑な気持ちを持ちながら、しっかり子供を支える姿にはグッときた。商店街の人々も、TVシリーズと変わらない姿を見せつつも、そのいつも通りの和やかな姿が、本作の「変化」の物語をよく際立たせていたと思う。朝たまこが商店街の人たちから挨拶されるシーンで感じた不思議な感情は、TVシリーズの積み上げあってこそだろう。
(個人的MVPのかんな。ひとつの行動がツボ。考え方も素敵よね)
シナリオやキャラもよければ、音楽や演出も秀逸であった。キュンとするシーンをよりロマンチックに、悩むシーンではより心の揺れが伝わるように、登場人物達の心象をとても印象的に美しく伝えていてシーン一つ一つがすごく印象に残った。告白されてすぐのたまこが走るシーンとか、マーチング大会のシーンとか、名シーンをあげればキリがない(もち蔵の水辺のシーンも好きだった)。アニメでしかできない演出で物語をここまで盛り上げたスタッフには尊敬の念を抱く。もちろん、最高の演技をしてくださった役者の皆さんにも。
ちょっとあまりにもかきなぐりすぎて意味が通ってないかもしれないが、この昂った心が落ち着く前にどーしてもこの文を書きたかった。いい映画だった。ありがとう京アニ。
たまこラブストーリーのためにたまこまーけっとを見てよかったし、たまこラブストーリーを見てよかった。本当に、楽しかったです。
もう語彙力が枯れてしまったので、最後は心からの一言でしめくくります。
たまこラブストーリーは、いいぞ!
©京都アニメーション/うさぎ山商店街