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ラブライブ!スーパースター!! 全話視聴感想 〜渋谷かのんはスーパースター〜

 

 

 

こんにちは。ネクサス系統と申します。


バンナムフェス2ndきっかけでラブライブスーパースターを全話見たので、その感想をまとめていこうと思います。
ラブライブは無印とサンシャインを見て、その粗さはありつつも光るものだらけな凸凹な魅力にとんでもなく惹かれてしまい、丁寧にまとまっていたと感じた虹は途中で見なくなってしまった……という経緯を持っております。
なので、スーパースターはサンシャインまでのスタッフで見れるということで、結構気になっておりました。
そんなことを思いつつ、実際見てみて感じたことをつらつら書いてまいります。

 

以下ネタバレあり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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【点数】
7/10点

 

 

 

【短評】
渋谷かのんを中心にまとまっている良作……だけども、未完なのでこれから次第

 

 

 

【良いところ】
・5人構成
本作の最大の長所は、従来からアイドル数を変更し5人にしたことでしょう。
9人体制の過去作ではエピソードに圧縮が生じたり、深く掘りきれないところがあったりしましたが、本作は5人という無理のない人数を取り扱ったことでかなりエピソードを濃く展開できていたと思います。
離島での練習と一人ダンスに向き合うちーちゃんを同時に描いた5,6話などはこの構成だからできたエピソードだと思います。

 

・ほぼ完璧と言っていい序盤3話
ラブライブシリーズ伝統の3話のライブと、そこに至るまでの始まりの話は、本作が最も素晴らしかったと言い切っていいと思います。
話の焦点を渋谷かのんとクゥクゥの二人に絞り、挫折続きで折れかけたかのんがクゥクゥのひたむきさに影響されやがてスクールアイドルとして舞台に立つ……というシナリオは、感情移入もしやすくとてもグッとくるものがありました。
劣等感と憧れでまぜこぜになったナイーブな面を見せるかのんの人間臭さもさることながら、一見ぶっ飛んだキャラながらも憧れを叶えるために勇気を持って行動しているという部分が伝わるクゥクゥもまた、とても応援しがいのあるキャラをしていました。

 

・渋谷かのんの話としての丁寧さ
本作の魅力は渋谷かのんという少女が、多くの出会いと体験の中で過去のトラウマを乗り越えるまでのドラマが支えていると思います。
この部分のエピソードが縦軸としてしっかり生きていたからこそ、11話までが一つの物語として盛り上がりを保ち続けられたと感じました。

 

・良さは残しつつ、過去作よりメリハリのついた表現
ラブライブ無印、サンシャインに共通するのが過剰なまでに盛り込む演出だと思います。背景にしろキャラのリアクションにしろ、全体的にかなりオーバーする癖(特にサンシャインは顕著)があり、それは物語をドラマティックするものでありつつも少し食傷気味に感じることもある点でした。
本作もオーバーなリアクション自体は残っていますが、全体的にメリハリがつくようになったと思います。普通のシーンは普通のトーンで、盛り上がるところは大げさなくらいで、というふうに洗練されており、かなり見やすいアニメになっていました。

 

・クゥクゥという物語の牽引役
個人的な推しとしては当然のごとくすみれなのですが、本作のMVPはクゥクゥなのではないかと思います。
持ち前の行動力で話を引っ張りつつも、外国からやってきたというパーソナリティがその行動を自然にしていましたし、コメディリリーフも熱い想いを伝える側にもなれる魅力あふれるキャラクターでした。

 

 

 

【うーんなところ】


・渋谷かのんが中心となる構成
本作は話の中心を渋谷かのんが担うことがかなり多いです。
スクールアイドルを始める3話までのみならず、4話以降も話の解決にかのんが関わる話やかのん自体の話がかなり多く、行ってしまえば全話通してかのんが真ん中で関わらなかった話は10話のすみれとクゥクゥの回のみです。
これは、かのんのストーリーとしてみると悪いことではありません。渋谷かのんがたくさんの人と出会い、歌を取り戻しスクールアイドルになり、リエラになっていく……というのは、まさしくその名にふさわしい「繋がり」の話としてよくできています。
他方で、他の子たちはそれなりに担当回ももらい個性も掘り下げられてはいますが、それ以外の回で見える個性……というものがあまり描かれなかったような気がします。
たとえば、オープニングで並んで歌ってるすみれと恋ですが、この二人に印象的な話があったかというと……。

 

・セリフで語られる設定が多い
本作に限らずラブライブシリーズ全体的にそうなのですが、セリフだけで語って伝えて、その設定を前提に話は進むもののその実態が伝わりにくい……ということが多々あります。スーパースターは特にそれが顕著でした。
たとえば結が丘の雰囲気や、音楽家普通科の価値観、恋の家にまつわる事情にクゥクゥの親との話、などなど……。
話の流れとして納得はできても、設定がピンとこず少しそこに乗り切れないシーンが見られたのが残念でした。

 

・未完
本作は、11話でかのんが一人で歌う舞台に立ち、彼女が歌を取り戻すことで大きな区切りを迎えます。これは、無印1期13話の穂乃果とことりの一幕に近いものがあります。
リエラというグループの中におけるかのんの一つの成長、一つの進化。それがスーパースターという物語の大きな到達点となったと言えるでしょう。
一方12話では、グループとして初めての大きな敗北が描かれ、「負けたくない」という気持ちを自覚したところで唐突に終わってしまいました。
これはすでに決まっているシーズン2で、新たに加わるというメンバーとともにもう一度ラブライブに挑むという展開の前ふりなのでしょう。
つまり行ってしまえば、本作は2期も含めて完結するものであり、今は未完成品ということです。
なので、正直現状は評価しきれない……というのが結論になります。

 

 

 

【総評】
「あのラブライブスタッフがここまでコンパクトに見やすい話を作るとは」というのが個人的な印象です。
過去作の萌えゲーのようなオーバーなキャラ付はやや控えめになり、背景のおしゃれな街並みが表すようにキラキラしつつもどこか落ち着いた雰囲気のある作品に仕上がっていました。
渋谷かのんという明確な真ん中を決めたのも、作品としてのまとまりを良くしていたと思います。
全体的に高水準で、ラブライブ初めての人にむしろ勧めやすい作品でしょう。
ただ、この作品が名作と言えるかどうかは良くも悪くもこのあとの2期次第になると思います。
奇跡のようなつながりで出会った5人が、また新たなメンバーを迎え紡ぐ次の物語。
それが一期に劣らぬ、それ以上に素晴らしいストーリーになることを期待したいですね。

 

 

 

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