【点数】
7.0/10.0 点
【短評】
お手本のようなモンスターパニック映画
【詳細な感想】
古典的名作に触れようの回、娯楽超大作編(またはブロックバスター編)。
人間とは比べ物にならないほどの生物を人間が管理しようとし、それが些細なことで崩れ、その生物たちに追い詰められていく……というお手本のようなモンスターパニック映画でした。
しかし王道だからつまらないというわけではなく、比較的親しみのある恐竜というモチーフを使いながら最後までしっかりとドキドキの続く映画でした。古臭さを多少感じつつも驚きと恐怖まで色あせることはない作品だと思います。
今作はとにかく主役である恐竜の見せ方が良かったと思います。ティラノサウルスのスケール感を出すために振動を水で表現したり、可愛げのある小型のやつがいきなり豹変したりと、その個性に合わせた魅せ方をしていてドキリとさせられる場面がたくさんありました。
また、静かな場面からグゥンといきなり現れるような場面も多く、穏やかな時間が突然切り裂かれる強さが作品全体の緊迫感を保っていました。
シナリオ自体はあらすじどおりではあるものの、本作の恐竜の恐ろしさを「自然はコントロールできない強大なもの」と位置づけ描くのはかなり説得力があったなと感じました。ただ理不尽な力が暴れるのではなく、描こうとしてることに筋があったおかげで説得力がありました。
本作って2時間のうちパニックになる場面がほぼ後半の1時間だけなんですが、前半で説明されてきたジュラシック・パークの恐竜の特徴を後半で覆し続けるという形で驚きの大きさを引き上げていました。ラストも人間のひらめきや胆力で困難をはじき返すのではなく、あくまで自然の食物連鎖に振り回され続けるというね。
人間が自然を乗りこなすのでも乗り越えるのでもなく、手に負えない存在として対等に向き合うという結末に本作の主義を感じました。
そう思うと本作は割と直球で警鐘を鳴らしているのかもしれません。自然を認めると同時に、自然を下に見るなと何より雄弁に語っているような。
とはいえ細かいことを考えなくても楽しい作品です。映像の古臭さは多少感じることはあれど、それが面白さを妨げるレベルではまったくなかったと思います。というより古臭さを感じることはあってもそれ以上にドキドキしたりワクワクすることのほうが多くて素直に感心してしまいました。
そうそう、キャラクターも良かったですね。主人公たちの模範的な学者としての態度に誠実さを感じましたし、あとなんかやたらと意味深なことをしゃべる数学者が面白かったです。
【最後に】
冷静に見る結構ショッキングなシーンもあるのでこの映画がめちゃくちゃ流行ったというのは少し驚きもあるのですが、このアトラクションのような体験が多くの人を魅了したのかもしれません。
それでいてシナリオにしっかりと骨太なところがあるというのは意外な発見でした。きちんとこういう名作に触れていくの大切さを感じますね。ありがとうございました。
