前回の感想
時が……時が過ぎていく……。
ということで今年のはじめくらいまでは現実の季節感とリンクしてたのにいつの間にか新しい春を迎えてしまった正反対な君と僕です。終わってしまうのか? それともまだまだ続くのか……?
今回は前回から引き続きとなる谷のモヤモヤの掘り下げ。59話で背中を押された谷が抱え続けていた想いを鈴木に吐露する回となりました。
鈴木と当たり前に一緒にいられる時間が終わってしまうことに寂しさを感じながらも、自分のために距離を置くことを提案してさえくれる鈴木の気持ちを裏切るわけにはいかないと努力していた谷。しんどくて早く終わってほしい受験と、過ぎ去ってほしくない今の時間。そこに感じるモヤモヤで限界になっていたわけですね。
鈴木が自分の為を思ってあんな提案をしてくれたことに尊敬の念やありがたさを感じていたからこそ、その想いに応えるために自分の進路を叶えなければならないと強く思っており、だからこそ弱音を見せてはいけないと思っていたと。相手を尊重するがゆえに弱さを見せられなくなってしまっていたわけですが、その癖相手の弱さには寄り添いたいがゆえに鈴木に「相談して」なんていっちゃうのが谷らしさ。相手に見栄を張りたいけど、相手が辛いときには寄り添いたい、都合がいいかもしれないけれどそう思うのは相手が大好き故の気持ち。それは当然鈴木も同じわけです。
相手に寄り添えるように強くなりたいけど、そう居続けれるわけはないから時々甘えて受け止めてもらう。ここ最近の鈴木の「充電」はそのためだったわけですね。
そして鈴木がそうしているんだったら、谷がそうしたっていいわけで。お互いの見栄と弱さをちゃんと認めて、今回は谷から鈴木に甘える。そうやって弱音を吐いて、充電して、また頑張りましょうと。
大切だからこそ辛いときには受け止め合うのが恋人なんだよと、お互いがきちんと同じ目線でそのことを認識しあえてとても良かったなと思いました。
あと余談ですが今回の渡辺、めちゃよかったですね。我が道を行く彼女やっぱ好きです。
そしてなんやかんやありつつもそのまま季節は流れ受験は過ぎ去り、新しい春へ。
……春へ!?
煽りで次回卒業式回と判明し、否が応でも感じる高校生活の終わりにあんぐり。鈴木谷はどうなるんですか? 山田西は? タイラズマは!?
当たり前にやってきた終わりに色んな意味で震えつつ、次回に続く。
㈱集英社 阿賀沢紅茶 [第62話]正反対な君と僕