時空を超える「これすき」

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令和二年にFateにハマった話① 【Stay Night~劇場版HF】

 

 

 

 Fateにハマりました。

 

 きっかけは、TwitterのタイムラインでみんなHFの劇場版にうっとりしてて、「Fate触れていないのってもったいないか……?」と思ったこと。大学生で夏休みが馬鹿みたいに暇だったということもありまあ古戦場でフルオート放置する片手間にでもやろうかと思ってStay NightのVita版を買ったのが先月。

 

 何これ面白と思いあっという間に終わらせて、アニメ版とかZeroとか事件簿とかプリヤとかに手を出し始めたのが今月入ってから。気づけば夏休みも終わり掛けてんのに未だにFateしてます。

 

 いや凄いですねFate。そら15年超えても愛されてるわけだ。

 

 そんなわけで絶賛Fate履修中ですが(今EXTRAやりながらプリヤ見てます)、せっかく面白いと思ったので感想を書いておこうと思い、このブログを書くに至りました。

 

ナンバリングはしたけど続かないかもしれない。まあ今回はStay Nightの話をします。

 

 

 

 

 

【概要】

 

 プレイ環境はVita版。攻略見ながらタイガー道場回収しつつやりました。

 

 Fullコンプリートまで60時間くらい? 9割がた古戦場でフルオートしながらやりましたが見る手が止まんなくてまあはかどりましたよ。

 

 Vita版トロコンしたので見てないルートはないはず。

 

 

 

【よかったところ】

 

・アニメーション

 

 ここで言うアニメはOP映像の方じゃなくて(いやそっちもすごいんだけど)、作中の戦闘シーンとか魔術のシーンとかの話。

 

 ビジュアルノベルってどうしても演出の幅って限られるものだと思っているから、たとえこういう戦いが前面に押し出される作品でも要素としてはサブ暗いかなあと思ってたんですけど、Fateはもうバチバチにカメラを動かして剣劇とか魔術発動を表現してくるのが超カッコいい。

 

 これが00年代のゲームとは思えない。すごいすごいと何度も感動した。

 

・3ルートの構成

 

 セイバールートで聖杯戦争チュートリアルを済ませ、凛ルートであらかじめ描いていた衛宮士郎の本質をえぐるように描き、その2ルートを前提に物語の裏の裏まで明かす桜ルートを読む……という仕組みはかなり成功していると思う。

 

 それぞれ単体で読み物として完成されているうえで、3本読むとまるでそれで大きな物語になるような部分にめっちゃ震えました。

 

・タイガー道場

 

 自分はあんまり即死トラップ系選択肢って好きじゃないんですが、タイガー道場のおかげでだいぶ楽しめた気がする。ていうかこれを読むためにバッドエンド回収してたよね。

 

 基本ギャグと見せかけて、鉄心エンドではしんみりしてたり、スパークスライナーハイでこれも一つの結末と言ってくれたりと、本編の補完として実は結構機能してたんじゃないだろうか。

 

 やさぐれ凛がお気に入り

 

・シナリオとキャラ

 

 これは下のルート別感想&気に入ったキャラクター欄で

 

・充実したTips

 

 サーヴァントの情報とか武器辞典とか。ちょっとした設定資料集くらいのボリュームあると思う。

 

 特に用語集のはっちゃけトークにゲラゲラ笑ってた。盾のサーヴァントのくだりにおける「藤ねえルートなんてねえよ」って話好き。

 

 

 

【うーんと思ったところ】

 

・トロコンがめんどくさい

 

 気にしなければいい部分ではあるけど、ビジュアルノベルはトロコンしたい派閥としてはこのゲームのトロコンめっちゃだるかったです。

 

 回収がめんどくさいこと多いんだけど、一番あれだったのは桜ルートのイリヤと凛を連れて衛宮邸に変えるシーン。事前のイリヤとの交流でイリヤを家にあげているかどうかでイベント名が変化するという……知らんわっ!!!

 

・めちゃくちゃ面白そうな没案を見せびらかしてくる

 

 イリヤルートとか慎二と共闘とかはぐれサーヴァントのそれとか見てみたいんですけど?

 

 

 

【ルート別簡易感想】

 

・セイバールート Fate

 

 第一ルート。ほか2ルートと比べるとシンプルな構成で、各サーヴァントとの怠慢が多め。複雑な話が少ない分多くの尺が戦いの中で互いを理解していく士郎とセイバーの話に割かれていた印象。

 

 後半2ルートの大好きな自分からすると、まあちょっとパンチが弱い話だなーとかこじんまりとした話だなーとか振り返ると思ってはしまう。とはいえ、サーヴァント同士の純粋なタイマンが一番多い話ってだけでも価値はあるし、士郎とセイバーが不器用に近づいていく過程はいじらしくてたまらんものがあったと思う。

 

 Fate世界において「生き方」というのは力を持つ者にとってとても大きなものだと思っているのだけれど、現代の士郎の生き方が過去のセイバーの生き方を肯定するという結論は美しい答えだなあと。朝焼けの中での離別は惚れ惚れしちゃったしな。

 

 ただ終わり方を考えると、このルートまあまあエミヤ生まれるよな……とか思っちゃうのもまた致し方なしか。遠坂頼んだ。

 

 このルートのバッドエンドだと言峰にたぶらかされてセイバーが士郎を殺すエンドが実はちょっと好きだったりする。セイバーのメンタルが揺らぐ話、しんどいけど人間臭くていいよね(Zeroとか)。

 

 いろいろ言ったけど結局のところレアルタヌア見たうえで感想を言えば、良いルートだったといわざるを得ない。ラストエピソードの立ち絵感動しない人いる? セイバーマジ最高のサーヴァント。

 

・凛ルート Unlimited Blade Works

 

 個人的最推しルート。遠坂凛って最高なんすよね。

 

 凛がヒロインのルートだけど、話の本質はむしろ衛宮士郎とアーチャーの関係性のところが中心だった感じ。さすがに2020年に遊んだので、エミヤという真名について知ってる状態でこのルートに臨んだけれど、そんなネタバレ一つ程度ではこのルートの面白さは揺るがなかった。

 

 サーヴァント同士の対決が熱いルートがFateルートだとすると、UBWはサーヴァントの掘り下げが印象的だった。アサシン、キャスター、ランサー、バーサーカー、そしてアーチャー。それぞれに背負っている人生があって、戦う理由を踏まえてみる彼らの生きざまは本当に熱い。個人的にはランサーが大好きになったルートでもある。

 

 そして生き様を描くという意味では士郎についてもそう。セイバールートでのゆがみが本格的に指摘され、エミヤという英霊を通してその生きざまを問われる部分はこのルート最大の見どころでしょう。

 

 自らの理想を信じ貫き、最後に英雄王を下した瞬間のカタルシスたるや。

 

 士郎という人間と機械のハーフみたいな歪な少年を、よくぞここまで書いてくれたと拍手したいくらい。

 

 そして、そんな歪な主人公を支える存在として、遠坂凛というヒロインがいるのだ。

 

 士郎に「あんたはおかしい!」と正面切って突っ込んだり、楽しませようとデートに誘ったりと、士郎という変な主人公に最初から最後まで真正面から向き合って、やがて最高のパートナーになっていく過程は萌えと熱血のハイブリッドで本当にたまらんかったです。

 

 エンドは2種類ありますが、個人的にはやっぱりTrue派。あるべき場所へ、って感じがこの作品にはすごく似合う気がする。

 

 ちなみにゲーム版だけでも超大好きになったんですが、この後アニメ版UBWを見たらエピローグで昇天しました。

 

 ロンドン編は……ずるいやん…………?

 

・桜ルート Heaven‘s Feel

 

 UBWであれだけ「うおおお俺は理想を貫くぞおおお!!!」みたいな話を書いたうえで、突然突き付けられる現実。そんな感じのルート。

 

 思えばUBWにおいて士郎の理想というのはエミヤという存在につながるという可能性をはらんでいるわけで、その在り方は尊いものされながらも必ずしも良いものとして描かれているわけではない。

 

 理想を持ち続けるということの意味を理解したうえですべてをもって現実を生きていく話がUBWだとすると、HFは現実と理想の狭間で何を選ぶのかという話なのだと思います。未来に結論を委ね先の見えない形で終わらせたUBWと、明確に得たものと失ったものを描いたうえで生きていく現実を選んだHF。全く対照的で、しかもこの順番で見せてくるのがまあいやらしいこと。

 

 ヒロインの桜も、前の2ルートと比べるとかなり特殊というか……。

 

 熱い展開の多かったUBWから一転してキャラがどんどんいなくなるわ状況はどんどん悪くなるわ……ルート自体の君の悪さ、恐ろしさみたいなのもあってとにかく読んでるだけでゴリゴリメンタルが削られた記憶。裏のFateと呼ぶのも伊達じゃない。

 

 きつい話だけど……でもだからこその良さがあるのも確か。

 

 大聖杯絡みや言峰の行動動機、イリヤのことなど各ルートでぼかされ続けてきた部分が明かされていくのは単純に面白かったし、前2ルートで活躍した面々がオルタとなって立ちふさがったり、逆にライダーという新たな味方がでてきたり。

 

 メインキャラの戦闘はどれも印象に残るものだったと思う。士郎VSバーサーカーとか凛VS桜とか、読んでてとにかく胸を揺さぶられたもんだ。

 

 そして何より自分の好みに突き刺さったのが桜というヒロインにまつわる話。

 

 HF突入前はかわいい後輩系の衛宮家の一員ぐらいの立ち位置から、怒涛のネタ晴らしでどんどん一筋縄じゃないかないヒロインになってくのよね。そんな桜の心象描写と、桜と自分の信念の間に揺れる士郎の話が積み重なるたびに、もうしんどいやら切ないやらで感情がパニックになったよねえ……。

 

 でもそんな苦しみがあったからこそ、士郎が桜を聖杯から解放するシーンは震えました。大聖杯付近での下りはすべてが名場面だっだと思います。オルタとの戦い、言峰との一騎打ち、イリヤの第三魔法……そしてそれらを全部乗り越えてたどり着いた春。

 

 読み終わった時の救われた気持ちは忘れられない、素晴らしいエンディングでした。

 

 UBWとはまた違う意味で大好きなルートです。

 

 

 

【気に入ったキャラ達】

 

柳洞一成美綴綾子藤村大河

 

 日常パートを彩った名サブキャラクター達。彼らの士郎や凛との関係がとても好き。一成君には士郎の良き理解者で居てほしいし、綾子も2人の大切な友であってほしい。

 

 藤ねえはタイガー道場まで含めれば一生楽しませてくれたと言っても過言ではない。

 

・ランサー

 

 格好いい……。

 

 性格はスカッとしてるし、口は軽いけどノリはいいし、信念は決して曲げない。

 

 マスターに恵まれず本編の扱い自体はやや不遇寄りだけれど、それを補って余りある英雄としてのイケメンさ。今作の個人的最推しサーヴァントです。

 

 UBW中盤の士郎凛ランサーの共同戦線超好き。

 

・ライダー

 

 中ボスだったり瞬殺されたり最初の2ルートはやや不憫な存在でしたが、最終ルートでは桜を思いやる存在として、怖さの裏側にある優しさが描かれたサーヴァント。

 

 HFの裏MVPと言ってもいい活躍を見せたのではないだろうか。素顔も含め美しくもいじらしいのたまらん。

 

 ちなみにのちにHollowを遊んだ結果、自分はどっぷりとライダー沼に沈んでいきました……。

 

遠坂凛

 

 マイベストFateヒロイン。

 

 自己にも他者にも厳しかったり、意地悪い一面があったり、財政事情に困ってたり、肝心なところでドジっ子だったり、根っこはどこまでも善人だったり、でも線引きはしっかりしていたり、納得できないことをあきらめられなかったり……。全ルートで士郎に協力する頼れる相棒であり指南役であり師匠。かつ学園のアイドルで生徒会長の仇敵で士郎のあこがれの人。いろんなルートでいろんな一面を見せるけれど、もうそのすべてがたまらん。

 

 こういう凛々しい人がこなくそっ! って頑張る話が好きなのでその時点でもう好きなんだけど、UBWではその強い性格で士郎という人間に真っ向から向き合うのがもうね……最高にヒロインだよ。

 

間桐桜

 

 遠坂凛最高! となっていた自分を後ろから指してきたヒロイン。

 

 彼女の好きなところは単純に良い子なわけでも悪い子なわけでもなく、その両方の面を持っていること。

 

 境遇こそ人並み外れたものだけど、その中身は優しい面とずるい面がある普通の女の子で、境遇を呪ったり誰かをうらやんだりするそんな言動全てが、とても感情移入できるものでした。

 

 人並みに弱いからこそ間違うし、たくさんの罪を犯して壊れてしまうのが桜。背負ってしまったものは大きいけれど、悲しい日々から彼女が救われて笑えるようになったHFの結末は、自分にとって救いでしたね……。

 

 士郎と共に幸せになってくれと願い続けております……救われてほしい……。

 

 ちなみにHF時点で感情移入しまくっててこの時点で結構好きだったのですが、Hollowをやった後では個人的に凛と並ぶくらい好きなキャラになりました。

 

衛宮士郎

 

 我らが主人公。自分はビジュアルノベルの主人公は個性的であってほしい質なので個人的には大満足でした。

 

 一見いい人な普通の男子に見えて、その実正義の味方という在り方にこだわるが故におかしくなっている通称ロボット。

 

 常識人の振りして時々こっちがついていけない思考をするので本当に読んでいて目の離せない主人公でしたね。

 

 理想との向き合い方は3ルートにおいてそれぞれ全く違う結末となりましたが、そのどれもが尊ぶべき答えだと思います。

 

 個人的には遠坂とのやり取りがやっぱり好きですね。たまらんのよ……。

 

 

 

【おまけ アニメ版Stay Night感想】

 

DEEN

 

 半分くらい見ました。さすがに今見るにはきつい部分もありますがギャグの切れ味はどの媒体よりもいい気がする。特に次回予告で言峰が「フェイ……ステイナイッ……」っていうのが一番面白いですね。

 

 完成度は悪くなさげなので暇なときにぼちぼち見ていきたいです。

 

・劇場版UBW

 

 2時間しかないので話のテンポ感が異常。原作絵っぽい絵で結構高いクオリティのUBWのシーンを見れるってだけで見る価値はあった。

 

UBW(2014年版)

 

 自分がUBW好きな理由の一つ。追加シーンが原作補完として素晴らしいのばかり。

 

 文章の原作をアニメに起こすうえのアレンジがいちいち丁寧なのも好き。遠坂めっちゃ可愛いのもいいよね。

 

 でもどれよりなによりロンドン編だよ!!! もう、なんていうか、よいとしか言えないレベル。

 

 最後の士郎と凛の会話がUBWのすべてだと思う。いや本当に最高のアニメ化です。

 

・劇場版HF

 

 桜限界オタク養成映画。HFの不気味さや怖さの表現とかも見事なんだけど、何よりも桜関連の話が、もう、本当に、たまらんのです。

 

 桜関連にこれでもかと尺を割いて描いた判断は素晴らしいと思う。もう2章見終わった時とかエンドロールの絶望感半端なかったし、だからこそ最終章の士郎が桜を救うシーンは感動した。

 

 そしてエピローグの公園のシーンがね……もうね…………。

 

 この映画をもって自分の中のHFは完成したと言って差し支えない。最高。

 

 

 

【総括】

 

 やっぱり名作というのはいつ遊んでも面白いものなのだなと。

 

 今はStay Night系列から離れて派生作品を追っている段階ですが、そこまでFateを追いかけようと思えているのは、やはりこの作品を最初に知れたのがでかいです。

 

 本当に、やってよかったと心から思える作品でした。

 

 

 

 というあたりで今回の感想はここまで。

 

 気力があれば次回はHollowとかZeroとかその辺の関連作品の感想をまとめたいと思ってますが……まあ気が向いたらということで。

 

 とりあえずEXTRA終わらせないとですね……(システムに慣れませんがシナリオにStay Nightネタが多くて結構ニコニコしながらやってます)。

 

 というわけで以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 もしよろしければ、Fate関連のおすすめの作品を教えていただけると幸いです。機会がありましたらまた。

 

 

※「#ネクサス系統のFate履修」でTwitter上に日々Fateの感想を載せていますので、よろしければそちらもよろしくお願いします。

 

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